第4話 妖精(珍種)、自分の全体像を知る
「ここ」
「ここだよ」
「湖」
「湖だよ」
妖精ちゃんたちの案内で湖にたどり着いた。
「ありがとな」
それほど大きない湖だが水が澄んでいてとても奇麗だ。
オレは早速ベトベトの体を洗おうと、水面に下降していった。
そこで初めて対面した。
水面に映るオレの全体像。
………………。
頭、デカッ。
自分のマッパ姿を見てプニプニの幼児体形からして期待はしてなかったけども。
しかし、これはヒドイ。
全長30センチくらいの頭でっかち3頭身。
背中に虫の羽みたいな半透明の羽が4枚生えている。
それがオレだ。
自分で言うのも何だが、魔法の調味料であるマヨのキャラクターに実にそっくりな姿である。
カワイイっちゃカワイイんだろうけどさ……。
でも考えてみてくれ、オレ、33歳のおっさんだったんだぜ。
そのおっさんが転生したら3頭身の幼児体形の妖精になってましたって、ヘコむわ。
剣と魔法のファンタジー世界だから、エルフとかケモミミとか期待してたのに。
かわいい女の子とあーんなことや、こーんなこと、ちょっとだけ期待してたのに。
3頭身の幼児体形じゃ微塵も期待できねーじゃねぇかぁぁぁ!
チッキショーッ!
神様のバカヤロ―――ッ!!
ヒッ、ヒッ、フーッ。
とりあえず落ち着けオレ。
自分のマッパ姿を見た時に、女の子関係は期待できないと薄々気付いていたではないか。
今更、心を乱す必要はない。
しかし、期待できないと分かっていても期待してしまうのが男というもの。
実に悲しい性である。
そうだ、先刻も思ったではないか。
冒険だ、冒険。
オレは冒険に生きるのだ。
そして俺TUEEEするのだ。
「裸ん坊、どした?」
「悲しいの?」
「裸ん坊、大丈夫?」
「大丈夫?」
妖精ちゃんたちが心配そうにオレの頭上をクルクルと飛び回っていた。
「うん、もう大丈夫だ」
オレの同族でもあるこの妖精ちゃんたち、すんごくかわいいんだけどさ、見た目がもろ女児なんだよ。
オレは断じてロリではないので却下だ。
妖精ってのは皆こんな感じなんだろうなぁ、同族とは言え期待薄だ。
ハッ、いかんいかん。
女の子関係のことはもう考えまい。
オレは当初の目的である体のベトベトを何とかすべく、水中にザブンと潜った。
体の汚れを落とし、水中から飛び上がる。
ふぃ~、これでキレイさっぱりだ。
となると、次に問題になってくるのは、このマッパ姿だな。
困った時の妖精ちゃんの出番だ。
「ねぇ、着るものってあるかな?」
そう聞くと、ちょっと待っててと言って妖精ちゃんの一人が飛んで行った。
そして手渡されたのが……。
「何で腰みの?」
葉っぱでできた腰みのだった。
妖精ちゃんたちの好意を無下にもできず、オレは腰みのを装着した。
何ともマヌケな姿だがこの際仕方がない。
腹も満たされたし、マッパ姿も何とかなったし(葉っぱ腰みのなのが少々アレだが、大事なところは隠れたので良しとする)次はあれだな。
魔法だ魔法。
この世界を冒険するにしたって、旅するには力がいる。
さっきのコスプレ4人組みたいにオレを捕まえようとする者や、危害を加えようとする者もわんさかいるだろう。
オレの体じゃ剣術とか弓術は無理っぽい。
ステータスから言っても魔法系チートだしな。
魔力無限大に多種多様な魔法ができるみたいだし。
ただ、魔法をどうやって発動するのかがわからん。
やっぱりここは、困った時の妖精ちゃんだな。
妖精ちゃん、妖精ちゃ~ん。