表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/34

第29話 妖精(珍種)、ダンジョンの情報を得る

 ダンジョンかぁ。

 めっちゃワクワクするなぁ。

 オレはチートだし最下層まで踏破しちゃったりして。

 ムフフフフフ。

 楽しみ過ぎる~。

 って大切なこと聞き忘れてるよ。

「なぁなぁ、ダンジョンってどこにあるの?」

 一番大事なことを聞いてみる。

「ダンジョンに興味があるのか?」

 お偉いさんがそう聞くから何度も頷いちゃったよ。

「ここアストラン大陸には様々なダンジョンがあるのだが、その中でも特に有名なのはアストラン5大ダンジョンだろう」

 ほうほう。

 そこ詳しく。

 お偉いさんの説明によると、今オレのいるローレアン王国があるのはアストラン大陸で、ここアストラン大陸はダンジョンが豊富にあるのだという。

 その中でも特に有名なのが上級ダンジョンでもあるアストラン5大ダンジョンだ。

 聞くところによるとダンジョンは、その難易度により初級・中級・上級と分けられているそうで……


【初級ダンジョン】

 初心者向きダンジョンで10階層まで。

 魔物ランクG~Eの魔物が出る。

 ドロップ品の価値は低く、宝箱の出現もほとんどない。


【中級ダンジョン】

 中級者向きダンジョンで11階から20階層まで。

 魔物ランクG~Bの魔物が出る。

 ドロップ品の価値は下の階層に行くほど上がるが中級品まで。

 宝箱の出現は下の階層に行くほど上がるが宝物の価値は中級品まで。


【上級ダンジョン】

 上級者向きダンジョンで20階以上。(未だ踏破された上級ダンジョンはないため、最下層がどれくらいまであるのか未知数。現在確認されているのは37階まで)

 魔物ランクG~SSSの魔物が出る。(確認できているのはSまでだが、下の階層に行くほど魔物ランクも上がるので最終的にはSSSの魔物も出てくるのは確実であろうと言われている。)

 ドロップ品の価値は下の階層に行くほど上がる。(今までの最高額が36階層のフロアボスが出したドロップ品で白金貨4枚の値段がついている)

 宝箱の出現は下の階層に行くほど上がる。(今までの最高額が34階層で出た宝箱の中にあった宝物で白金貨3枚と大金貨6枚の値段がついている)


 目安としてはこんな感じになっている。

 もっとも初級ダンジョンは冒険者になったばかりのGランク冒険者の訓練用、中級ダンジョンは低ランク冒険者の小遣い稼ぎの場となっていて、中級以上の冒険者は上級の5大ダンジョンに挑むことがほとんどだという。

 上級ダンジョンは確かに難易度は高いがランクの低い冒険者が入れないかというとそういうこともなく、自分の実力に合った階層までに留めておけば中級ダンジョンに潜るよりも稼げるうえ、上級ダンジョンでは浅い階層でも稀に価値の高いドロップ品や宝箱の出現もあるため、冒険者ランクに関係なく上級ダンジョンは大盛況なのだそうだ。

 しかも、上級ダンジョンでは階層によっては貴重な鉱石や植物も採れるため資源の宝庫でもある(もちろんその貴重な鉱石や植物は高値で売買されている)。

 上級ダンジョンを保有しているか否かで国力にも差が出てくるほどで、この500年のうちに上級ダンジョン持ちでない国は淘汰され、このアストラン大陸では上級ダンジョンを保有している5か国のみとなった。

 上級ダンジョンは、ここローレアン王国、ダールストレーム帝国、フリードル王国、ガルニカ王国、イラリオン神聖皇国にそれぞれ1つずつあるそう。

 ちなみにどの国も上級ダンジョンのある都市は各王(帝)都に匹敵するくらい栄えているそうだ。

 なるほどね~。

 アストラン5大ダンジョンか。

 こりゃ全部行ってみるしかないっしょ。

 まずはここから一番近いとこからだな。

「それで、こっから一番近い上級ダンジョンってどこなんだ?」

「当然“タルタロス”だな』

 “タルタロス”というのは、ここローレアン王国にある上級ダンジョンのことだ。

 この街から馬車で8日ほど行ったところにあるヴェーメルという街に“タルタロス”があるそうだ。

 馬車で8日か……。

 オレが超特急で飛んでいったら1日で行けるか?

 でもだ、せっかく冒険者になったんだから、ヴェーメルに行く商隊の護衛のクエストがあったら受けてみるのもいいかもしれない。

 それだったら金も稼げるし。

 ま、その前に旅の準備をしなくちゃいけないからな。

 小隊の護衛のクエストはオレがこの街から出るタイミングと合えば受けるってことで。

 旅に出るならアレとアレとアレが必要だな。

 旅に出るのはもうちょっと先かもと考えてたからまだ用意してなかったんだよな。

 でも、ダンジョンなんて面白い情報を聞いたからにはのんびりとしてもいられない。

 とにかく急いで旅の準備にとりかからないと。

 オレはおっさんとお偉いさんにお礼を言って冒険者ギルドを後にした。







(珍種妖精が出て行った後のおっさん(ランツ)お偉いさん(マイラス副局長)の会話)

おっさん   「マイラス副局長、わざわざダンジョンのこと教えてしまって良かったのですか?」

お偉いさん  「どうせみんな知っていることだからな。どうせならダンジョンに篭っててもらったほうがうちとしてはいいからな」

おっさん   「それはどういう意味で?」

お偉いさん  「今のところブラックカードが出てくるような問題はないからな。それならば外で問題を起こされるよりも、ダンジョンに篭って大人しくしていてもらった方がいいだろう」

おっさん   「確かにそれは言えますね」

お偉いさん  「150年ぶりにブラックカードが出たことをギルドの全支部に通達せねばならないな。それに……」

おっさん   「ヴェーメル支部ですね。ヴェーメルのギルドマスターには至急連絡を入れます」

お偉いさん  「頼む」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ダンジョン嫌いのムコーダ氏とは対照的に、ケンジは進んで潜るのは、意外でした
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ