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第14話 妖精(珍種)、大金を手に入れる

 街に戻ってきたぜ。

 冒険者が一狩り終えて戻ってくる時間にはまだ早かったけど、ちらほらいた冒険者のあとにくっついて何とか門を通ることに成功。

 狩ってきた獲物が大量にあるから、早速冒険者ギルドに行って売り払ってこよう。




□■□




「こんちは~」

 昨日のベテランおばちゃんの受付窓口に直行だ。

「あらあら、昨日の妖精さんじゃないの。今日はどんなご用件ですか?」

「魔物を狩ってきたんで、買取お願いしまーす」

「じゃ、隣の買取専用窓口の方へ声掛けてもらえるかしら」

 あ、隣が買取専用窓口だったんだね、こりゃ失礼。

 でも、昨日と同じくってか昨日より魔物の数多いぞ。

 となると、やっぱり倉庫で出して買い取ってもらった方がいいのか?

「んー、昨日より魔物の数多いけど、昨日みたいに倉庫に行った方がいい?」

 そう言ったらおばちゃん「ちょっと待っててね」って言って、昨日と同じく裏に引っ込んだ。

 またギルドマスターのおっさんを呼びに言ったんだろう。

 思ったとおりおっさんが奥から顔を出した。

「買取希望だそうだが、数が多いってどれくらいあるんだ?」

 おっさんが聞いてきたので素直に答える。

「えーと、フォレストウルフが15、6匹いて、あとはワイルドボアだろ~、それにビーストベアーもいる。それからオークが100匹以上あるぞ」

 それを聞いたおっさんの動きが止まった。

「…………は?」

 おっさん、何呆けた顔してんだよ。

「だからな、フォレストウルフが15、6匹とワイルドボアとビーストベアー。それからオークが100匹以上、正確にはっ104匹だけど、いるって言ったの」

「いやいやいやいや、嘘はいかんぞ嘘は。そんなのあり得ん。昨日の今日でそんな大量に持ち込みなんてあるはずないだろう。しかもオークが100以上だなんてオークの巣でも殲滅しない限りあり得んぞ」

 あり得んあり得んって、あり得るんだって。

「何ならここに出そうか? それにオークの巣ならあったぞ。オレがちゃんと殲滅してきたけど」

 それ聞いたおっさんが目を真ん丸に見開いた。

「はぁ? オークの巣の報告なんて受けとらんぞ!」

「そんなの知らないよ。あったもんはあったんだから。オークキングがいて、けっこう大きい巣だったぞ。でも、オレがちゃんと全部殲滅してきたから大丈夫だけど」

 そう言ったらさらに驚くギルドマスター。

「オ、オークキングだとッ?!」

「大声出すなよ。もう、何でもいいからとにかく早く買い取ってくれよな」

 腹も減ってるし、とにかく早く済ませたいんだ。

 冒険者ギルドに併設されている酒や軽食を出すカウンターから美味そうないい匂いがしてきて空きっ腹には辛いぜ。

「すまん。とにかくだ、ここじゃあ確認するにも確認できん。とりあえず裏に行くぞ」

 昨日と同じく裏の倉庫へ移動。

 ほどなくして昨日の買取係の兄ちゃんが来た。

 そして、ギルドマスターが現物を出せというので、出して見せた。

「んじゃ、出すぞ」

 最初にフォレストウルフを出していく。

「フォレストウルフですね。損傷も少ないし、いい毛皮がとれそうです。お、これはキングフォレストウルフじゃないですか! これも損傷が少なくていい状態ですねー」

 次はワイルドボア。

「このワイルドボアは型がいい。肉付きもいいです」

 次はビーストベアー。

「おぉ、ビーストベアーですね。これだけ損傷の少ないビーストベアーも珍しい。この毛皮だったらすぐに買手がつきそうですよ」

 最後は大量にあるオーク共だ。

 たくさんあるからどんどん出すぜ。

「オークですね。……え? ちょっ、ちょっ、多い、多すぎますっ。ストップ、ストップッ!」

 え、何で?全部出しちゃダメなの?

「ちょっとギルドマスターよろしいですか?」

 なんか買取の兄ちゃんとおっさんがコソコソ話合ってる。

 そして、ギルドマスターのおっさんから魔石持ちじゃないオーク(平オークのことだな)で今日買取できるのは20匹までだと言われてしまった。

「オークの肉はそこそこの高値ですが、非常に人気があるのはご存知かと思います。しかしですね、供給量が多くなりますと値崩れを起こしてしまうんです。それはギルドにとってもお宅様にとっても良くないですからね」

 買取の兄ちゃんがそう説明した。

 ってか、やっぱりオークの肉は食肉用になるのか。

 しかもそこそこ高値とはな。

 しかし、兄ちゃんの説明だと買取は20体までか。

 でも、理由が理由だからな、そういうことならしょうがないか。

 オークを狩っても微々たる金額にかならないなんてなったら、ほかの冒険者にも迷惑がかかるしさ。

 幸いオレのアイテムボックスの中は時間停止してるようで劣化する心配もないようだし。

 とりあえず残りの平オークはアイテムボックスの中に保存だな。

 次はオークリーダー。

 ってオークリーダーって魔石持ちなのか?

 聞いてみると小さいが魔石持ちだとのことなので、とりあえずオークリーダーは全部出してみた。

 そんで次はオークジェネラル。

 オークリーダーが魔石持ちなら、オークジェネラルも当然魔石もちでしょってことでオークジェネラルも全部出した。

「おいおい、オークジェネラルが5匹もいるのかよ……」

 ちょっと兄さん素が出てますぜ。

 んで、最後にオークキングっと。

 他のオークより一回り大きいオークキングを2人の前に出す。

「…………」

「…………」

 おい、何で2人とも無言なんだよ?

 2人ともしばらく呆けていたが、一早く回復したおっさんが「よく分かったわ。お前を今までの基準で考えたらダメなのが」なんて呟いていた。

 まぁ、オレはチートだからな。(ドヤ顔)

 そんで、〆ておいくらになりますかいな?


 フォレストウルフ(14)……大銀貨5枚と銀貨6枚

 キングフォレストウルフ(1)……大銀貨3枚

 ワイルドボア(1)……大銀貨2枚

 ビーストベアー(1)……大銀貨5枚

 オーク(20)……金貨1枚と大銀貨5枚

 オークリーダー(12)……金貨3枚と大銀貨6枚

 オークジェネラル(5)……金貨3枚と大銀貨5枚

 オークキング(1)……金貨7枚

 合計 大金貨1枚と金貨7枚と大銀貨1枚と銀貨6枚(日本円にして1,716,000円也)


 おぅ、今日1日の狩りで170万円超えたよ。

 自分のことながら、スゲェな。

 オークリーダー、オークジェネラル、オークキングは肉よりも魔石が重要とのことで、全部買い取りしてもらえた。

 まぁ、肉も平オークよりも高級品だということで、高級宿やら貴族からの需要もあるから無駄にはならないとのこと。

 それからオークキングがいることで、オレがオークの巣を殲滅したのは間違いないだろうってことで金貨5枚の討伐報酬ももらえることになった。

 買取金額の大金貨1枚と金貨7枚と大銀貨1枚と銀貨6枚+討伐報酬の金貨5枚で合計大金貨2枚と金貨2枚と大銀貨1枚と銀貨6枚。

 日本円にして2,216,000円也。

 ヒャッホウ、に、200万超えてるよっ!

 ヨシッ、ヨシヨシヨシヨシッ、大金ゲットッー!!!

 いやぁ、チートで良かったぁ~。

 魔法最高!チート最高っ!!

 とりあえず大金が入ったので、明日はお休みだな。

 ちょっと欲しいものもあるし、買い物するのだ。

 明後日はまた狩りに行くよ。

 いや、い、行くよ。

 …………多分。






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― 新着の感想 ―
これで身元保証無しの無職なんですよ
[一言]  討伐する魔物の量が規格外なのは、このころから構想があったんですね^^  こちらではスキルを隠すことはありませんが、「とんでもスキルで異世界放浪メシ」では、ひっそりと生きるため、隠すところが…
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