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第12話 妖精(珍種)、魔物を狩る

 魔物狩りに西の森に行こうとして問題になったのが門からどう出るかだ。

 オレ1人だと絶対止められそうだし。

 街に入った時は、シェーラとミリアムがいたからついていったら使役妖精だと思われて何にも言われなかったけど。

 うーん、どうすっかな……。

 む、冒険者がいっぱい出て行くな。

 ちょうど朝の時間帯だからか。

 よし、しれっとその後について行ってみよう。

 結論、うん、すんなり出られたわ。

 なーんも言われなかった。

 シェーラとミリアムも言ってたけど、街にいる妖精は基本みんな使役妖精だと思われてるようだな。

 これなら帰りも街に入っていく冒険者の後ついていけばいけそうだ。

 帰りも何とかなりそうだし、そんじゃ西の森で魔物狩りといきますか。




□■□




 西の森に入って木々の間をフヨフヨ飛んでいると最初に見つけたのは狼の魔物だった。

 狼の魔物かぁ、生前の知識から言うと、狼の魔物っていうのは初期に出てくる雑魚なんだよなぁ。

 うーん無視するか、とりあえず狩っておくか。

 あっ、そういやオレ鑑定スキル持ちだった。

 ゴブリンの巣殲滅したときは緊急事態だったからすっかり忘れてたけど、魔物でも大丈夫なんだよな?

 どれ、鑑定!



【 フォレストウルフ 】

    魔物ランク : E 



 おぉ、でけた。

 魔物ランクって、きっと魔物の強さだよな?

 強いのはAってことなんだろうから、Eってことはやっぱり雑魚っぽいな。

 テンプレだと毛皮辺りは売れるか?

 群れてるから数はいるし、とりあえず狩ってみるか。

 おっ、あの真ん中にいる群れのボスっぽいのだけ他のより一回りデカいぞ。

 鑑定。



【 キングフォレストウルフ 】

    魔物ランク : D


 キングだってキング。

 やっぱボスだからか魔物ランクがつ1つ上がってる。

 オレは羽があって飛んでるから今のところまったく気付かれていないし、初めての狩りの獲物としてはこれくらいがいいのかも。

 よし、狩ろう。

 毛皮が売れるとしたらあんまり傷つけない方がいいよな。

 ファイヤーボールは森ん中だから絶対ダメだし、その前に毛皮が焦げて売るどころじゃなさそうだ。

 ゴブリンの時に使ったストーンバレットだと穴だらけになりそうだし、アースニードルは串刺しだから大きな穴が開くからダメ。

 となるとウィンドカッターはどうかって、斬り付けるんだから毛皮傷みまくりじゃん。

 ならば……。

 しばらく考えて、これに決めた。

「ライトニングニードルッ!」

 15センチくらいの長さの光の針が狼の群れに降り注いだ。

「キャンッ?!」

 短い鳴声の後、フォレストウルフの群れは1匹残らず息絶えた。

 よしと、一丁上がり。

 あとはアイテムボックスに収納だ。

 フォレストウルフの亡骸の近くへ飛んでいく。

 ふむふむ、思ったとおりそんなに傷もついてないな。

 さて収納1匹目~って、クサッ。

 獣臭がハンパないぞ。

 さっさと収納しちまおう。

 ポイポイとフォレストウルフの亡骸をアイテムボックスに収納していく。

 〆てフォレストウルフ14匹、キングフォレストウルフ1匹なり。

 それにしてもイメージ通りに魔法が発動できて超気持ちいい。

 さすが魔法チート。

 いいね、いいね、魔法超便利だぜー。

 よし、次もこの調子でサクサク行ってみよう~。

 次の獲物を求めてフヨフヨ飛んでいると、地面に鼻をつけてフゴフゴ鼻を鳴らす丸々と太った猪らしきものを見つけた。

 姿は猪に似てるけど、随分とデカいな。

 全長は3メートルくらいあるし、口からはみ出した牙も長くて鋭い。

 早速鑑定してみる。



【 ワイルドボア 】

    魔物ランク : E



 これもEということは、そんなに強くないってことだな。

 でも、この手の魔物は見た目からして肉と皮が売れそうだ。

 ならば、これも傷は少ない方がいいだろう。

 そうなるとやっぱりこれかな。

「ライトニングニードルッ」

 フォレストウルフの群れを屠ったときと同じく15センチくらいの長さの光の針がワイルドボアに突き刺さる。

「プギィィィィッ」

 ワイルドボアが断末魔があげて横にドサっと倒れた。

 はい、終了。

 収納、収納ーっと。

 これもクサッ。

 獣系の魔物は臭くていかんな。

 狩ったら即収納が鉄則だな。

 それと、獣系の魔物は売れそうなの部分は毛皮とか皮とか肉になりそうだから、傷が少なくて仕留められるライトニングニードルが非常に有効だな。

 これから獣系の魔物を狩るときはライトニングニードルを使おう。

 さぁ、次々。

 再び次の獲物を求めてフヨフヨ飛んでいると、今度は獲物の方が先に気づいた。

「ガァァァァァァッ」

 oh……、く、熊だよ。

 森の中で一番遭遇したくない動物、熊さんである。

 だが、生前に知っていた熊とは全く違う。

 とにかくデカい。

 今も後ろ足で立ってオレを見上げて威嚇しているのだが、足から頭の先まで4メートルくらいある。

 とは言っても、熊の頭上遥か上を飛んでいるのでオレには一切手出しできないんだけどね。

「クマ公なんかにやられるかよ、バーカ」

 オレがそう言うと、馬鹿にされたのが分かったのか熊は更に威嚇してきた。

「グガァァァァッ!」

 ちょ、ちょい待てって。

 これをせねば。

 鑑定。



【 ビーストベアー 】

    魔物ランク : D



 デカいし強そうだから、もうちょっといくと思ったけどランクDか。

 微妙だな。

 でも、狩るけど。

 熊なら毛皮と肉が売れそうだし、熊の手なんかは高級食材だって聞くしね。

 それじゃ行きますか。

 もちろん、ここは……。

「ライトニングニードルッ」

 光の針がビーストベアー頭部目掛けて飛んでいく。

「ガッ……」

 ライトニングニードルを頭部に食らったビーストベアーの巨体がドサリと倒れた。

 よーし、よしよしよし。

 さっさと仕舞って次行こうって、これも獣臭そうだなぁ。

 息を止めて、できるだけ臭いを嗅がないように素早くビーストベアーをアイテムボックスに収納した。

 さて、フォレストウルフ、ワイルドボア、ビーストベアーと狩った訳だが、まだまだ時間はある。

 腹の方もまだ大丈夫だな。

 とりあえず腹が減るまで狩を続けるぜ。






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