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1話 私が神様です

思いつきで始めました。

一つ一つは短めの予定。


2054字(改行・空白含まない)


2017/05/30 改行を修正しました。

 ヴーーーン、ヴーーーン。



 重い頭を上げながら薄く開いた目に映るのは、車に備え付けられたドリンクホルダーだ。その中で震えているスマートフォンが、早くここから出せとでも言わんばかりにカタカタと音を立てている。



 腕に巻いた程よく高級感のある時計を見ると、前に目を閉じてからニ時間が経過していた。




「もうちょっとだけ……」




 誰に言うでもなく呟くと、俺はスマホの着信を無視して再び目を閉じた。



 ヴーーーン、ヴーーーン。

 ヴーーーン、ヴーーーン。

 ヴーーッ。



 やっと止まったか。目を閉じながら意識だけは向けていたけれど、なかなかしつこい電話だったな。知らない番号からだし取る必要はない。



これが会社の誰かからだったとしても取るつもりはない。運転していたとか人と会っていたとか。お粗末だが一時間程度電話に出られない言い訳としては十分だ。



 俺の名前は天野輝あまのてる、二十七歳。



キラキラネームとまでは言わないが漫画のようであまり好きじゃない。仕事はとりあえず営業職とだけ……絶賛おサボり中なう。イツモハチャントヤッテルヨ? 今日はなんだか身体か怠くて気が乗らないのだ。疲れてしまったとでも言えばいいか。



 元々はそれなりに大きな店でメーカー担当として販売員をしていた所、接客が上手いという理由で今の会社にヘッドハンティングされた。つまり引き抜かれた訳だが、転職先での成績は芳しくなく所長から愚痴を言われまくっている。



 先輩方や支社長は良い人ばかりなのでなんとか心の平穏を保てている状態だ。だからこそサボってしまっている今この瞬間には嫌悪感もあるし応援してくれている先輩方には申し訳ないなとも感じている為、車の窓を叩く音と自分の名を呼ぶ声が聞こえた時には心底ヒヤリとした。




「(会社の誰かだったらヤバイ!)」




 悪い事をしている自覚があるので慌てて声の主を探す。運転席の窓を叩く音がしたのだから身体を起こして右を向けば誰か分かるはずだった。




「あれ……?」




 ここはコンビニの駐車場だがちょっと広い。混雑している訳でもなく人が車の側にいればすぐに分かる。それなのに誰もいない。運転席からぐるっと辺りを見回しても他のスペースに疎らに駐車してある車があるくらいで人の姿は見当たらない。



 どういう事だ? と思いドアを開けて車の外に出ようとするとドアが途中で何かにぶつかり「痛っ!?」と声が聞こえた。




「えっ!? すみません!大丈夫ですか!?」




 依然として何も見えなかったのだがすぐ近くに誰かいるらしい。俺は狭い車の中で助手席側に移動してから先程とは反対側のドアを開けて車から出るとすぐに運転席側にまわった。



 誰もいない。けれど音はするし目の前に誰かがいる気配がする。訳が分からないが、その場に誰かがうずくまって呻き声を上げているのだ。




「あ、あの……急にドア開けてすみません。大丈……夫、ですか?」




 相手が見えないので如何ともし難い。勢いをつけて開けた訳ではないが感触では顔にもろにぶつけてしまったのだと思う。鉄板ではなくガラスだったとはいえ相当痛いだろう。




「本当に申し訳ないです……何処か怪我していたりは……?」




 何もないはずの空間に声の位置からアタリをつけて、大体顔があると思われる部分を見ながらしゃがみ込む。端から見たら俺一人で独り言を言っているように見えるのだろうが幸い駐車場には他に人影はない。



 暫く呻き声を上げながら蹲っているので背中に手を回そうとも考えたがやめておいた。声から察するにこの人(?)は恐らく女性だ。姿さえ見えないのに下手に触れる事はできない。




「アマ……ノ……さん………ですよね? う〜、いつつぅ……」




 滅茶苦茶に痛そうな声を出しているけど、俺からは駐車スペースの白いラインと少し開いたままになっている車のドアしか見えない。どうやら会社の人ではなさそうだ。少しホッとした。




「はい、私は確かに天野ですけど……貴女は?」




 声は聞いたことがないと思いたい。というか姿が見えないって透明人間か何かか?



 そんな研究してる知り合いも多分いないし、現実に人を透明にすると内臓や血管はもちろん血液やら食べた物やら全てが見えてしまうとか割りとグロテスクなものだった気がする。特に血液の色は主にヘモグロビンの色であり、それが透明だと酸素を運ぶ事ができない。つまり透明になった瞬間に窒息死してしまうのだ。



 詳しくは端折るが科学的に透明人間は不可能だ。限りなく透明に近くする事はできても、そこから普通に動く事は出来まい。よく映画や漫画にあるように何かの装置、光学迷彩で周辺の光を無理矢理屈折させ迂回させたとしてもそれで完璧に透明になるというのは難しいし、それをすると自分から外が見えなくなる。自分の目に光が届かないのだから当然だろう。



 話が逸れた。現実に目の前に存在しているのだから科学云々言っても仕方あるまい。漫画チックな世界の透明人間であれば服は……裸? 危ない危ない。さっき一瞬だけど触ろうとしちゃったよ。まだ痛そうな声を漏らしながら彼女は俺の質問に応えてくれた。




「私が神様です」




 ……は?




何を言っているのか分からない!


実はサガシリーズは1しかプレイしてないのて元ネタの「私が町長です」についてはあまり知らないのですよね。当時はネットなんて普及して無かったので自力で見つけたバグはバグではなく裏技と認識しておりました。レイディバグやスターソード常時装備や滝登りを見つけた時のような興奮は恐らくもう味わうことはできないでしょう。


更新は比較的遅めですが書きたいものがそれなりに先にある為エタらないよう頑張ります!


テンプレ展開も素敵だけどあんまり各所方々の作品と似たような形にならない程度にしていきたいです。各国先人達の作品のオマージュというか、似たような状況が出来上がる事はあると思いますが! 



話が進んできたら各話で初めて出てきた単語の用語解説を別に作ります。『1-1 天野輝』みたいな形で。新しい人や物を作る時にはその背景を考えてから作る主義なのでメモがてらにですね。タイトルで軽くネタバレになる事が出てくるかもですが……

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