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第4話 従魔は我が子!?コウとの出会い

執筆中、なぜかデータが消えました…。

バックアップデータは消えた後のものになっていたし、ほとんど最後まで書いたデータだったので、テンションは下がりまくり(泣)

往生際悪く、ダメもとでブラウザバックを試みたところ、消える前のデータが残っておりました!

テンションは上がりまくり(笑)

しかし、いったい何だったのか…?

 街の外れ、一応住宅地区に分類されている家屋がほとんど見当たらない場所に、なかなかに年季の入ったマイホームを借りてからかなりの月日が経つ。

 工房付きの家を探していてたまたま見つけた掘り出しものだ。

 賃貸物件なのであたりまえだが、月々の家賃が発生してしまうことを考慮してみた、がそれでもやはり、生産活動を行うための拠点が必要不可欠であるとの結論に至ったのである。

 分不相応ながら、ゲームの中でもマイホームを所有することになったのだった。


「やっと工房に到着だ〜」


 ここで一応紹介しておくが、我が家の間取りは1LDK扱いだが、LDK部分を工房になるようにして建築されたのだそう。

 各部屋の広さは、工房が10畳で寝室が8畳、そしてもちろん、トイレとお風呂もしっかりと完備されている優良物件だ。

本日は、そんな我が家の一室で、料理と調薬に勤しむ予定である。


「さてさて〜、そんじゃあ全員を呼び出すといたしますか。まず最初は、私たちのマスコット的存在であるベビースライム“コウ”ちゃんからだな。」


 左手でメニュー画面を開くと、従魔のところをタップ、さらにコウの名前のところをタップした。

 すると、目の前にまばゆいほどの光が溢れ、そしてすぐに小さく収縮していく。

 宙に浮いた光の玉が消えると同時に、ポンっと音を立て、とても小さな生物が自分に向かってダイブして来た。

 アーシャは大切な仲間を両手で受け止めるため、すぐさま手のひらを上にして待ち構えると、無事着地することに成功したようだ。

 ナイスキャッチだ!!心の中で1人ガッツポーズをキメる。

 そんな中、ついに姿を現した私の従魔は、体長5cmで手乗りサイズの小さな体を持つベビースライム、ちなみにレア種である。

 だって、スライムの赤ちゃんに遭遇する確率なんていったいどれぐらいになることやらだし、しかも、テイムに成功して従魔にできる確率なんてさらにどんだけなのか…。

 想像するだけで無理ゲー感ハンパないよね。

 そんなベビースライムの特徴は、まだ第一次成長期も迎えていない状態であるため、種族変化も起こしていない、何色にも染まっていない無色透明な体だ。

 だが、角度によってはさまざまな色合いを放つプリズムみたいな不思議な体でもあった。

 命名する際には、虹色に光輝いて見える無垢なる存在、そんな由来が“コウ”という名を与えるきっかけとなったのはまた別の話だ。

 そんな、かけがえのない存在となったこの子との出会いとは___。





 記憶をさかのぼること約半年前、ふと軽い気持ちでもふもふした従魔が欲しい思い立ち、迷わずすぐに調教スキルを取得したことがまず最初に思い出される。

 そして、いろいろな場所を廻って様々なモンスターを物色していた時のことだ。

 他のモンスターに倒されたのであろう、ブルースライムとレッドスライムの亡骸を見つけたのである。

 何となくその2体が夫婦であったのではないかと、漠然とそう思った。

 なぜならば、ブルースライムの上にレッドスライムが覆い被さるように重なって死んでいたからだ。


「ブルースライムが奥さんで、レッドスライムが旦那さんかな。きっと守ろうとしたんだね…」


 今まで見ようともしていなかった残酷な世界を、目を瞑って見ない振りをすることのないようしっかりと心に刻み付ける。


「ゲームなのに…何だかちょっと…。胸が苦しいよ……」


 そんな心境であったからか、モンスターではあったものの、そのまま野晒しにしておくのは忍びないと、何より、お墓を作って2体を一緒に弔ってあげたいと、そんなふうに思ってしまったのである。

 とりあえず、2体の亡骸を自身のストレージに保管するため、レッドスライムにそっと触れて丁寧に持ち上げた。

 スライムの心臓である小さな核が、ゲル状の体とともに切り裂かれたように損傷している。

 ブルースライムのほうにも目を向けると、やはり似通った状態であった。

 先に持ち上げたままのレッドスライムをストレージの中へ入れると、今度はブルースライムにも同様に手を伸ばす。

 すると、亡骸を持ち上げた瞬間、亀裂の入った部分から何かが転がり落ちたのがわかった。


「ん?何か、落ちた?」


 気にはなったが、先にブルースライムのほうだと、またもや慎重にストレージの中へ。

 損傷の大きな亡骸を2体とも無事に保管し終えると、さきほど転がり落ちたモノの正体を見定めるため今度はしゃがみこんで目を凝らす。

 地面が剥き出しのところ、野草が密集していところ、それぞれくまなく探していると、草陰に見慣れない小さな球体を見つけた。

 直径5cmで赤と青のまだら模様の物体だ。

 手に取ってみると硬い感触がする。


「何だろ?これ…。これも核とか??」


 一応ダメもとで鑑定をかけてみると“卵”という結果が出た。


「んんっ!?卵ーーーーーっ!?」


 世紀の大発見である。


「ってか、スライムって卵から生まれるんだ?」


 卵生生物だったとは…。

 そりゃモンスターの出生方法なんか知るよしもないもんね。

 いやはやビックリである。


「でもどうしたらいいんだろ?やっぱ温めてあげればいいのかな?」


 だって、そのままほっとくわけにもいかないし、処分するなんてもってのほかだし、そんなことをつらつら考えていた時だった。

 ピシリッ。卵に亀裂が入る。

 心の準備もまだなのにもう生まれちゃうの!?

 内心の慌て具合とは裏腹に、身体のほうは驚愕に固まってしまっている。

 えらいこっちゃしている私をよそに、刻一刻と卵の孵化が進んでいく。

 亀裂の数が増え、小さな殻の破片も手のひらの上に落ちてきて、そんな状況を固唾を飲んで見守っていると、これまでにない大きな亀裂が卵の殻を二分した。

 パキリッ。卵が割れる音が静かなフィールドに響き渡る。


「ふあっ」


 思わず変な声が漏れた。

 しかし、待ちに待った瞬間である。

 ついに卵の割れ目から姿を現したのは、体長3cmほどしかない無色透明なスライムであった。


「う、生まれた〜!」


 無事生まれてきたことに安堵の溜息が漏れる。

 そんなアーシャを、クリクリとしたつぶらな瞳で一心に見つめている赤ちゃんスライム。

 可愛い。

 念の為、赤ちゃんスライムにも鑑定をかけてみる。



————————————————————


名前:未設定          レベル:0

年齢:0歳   性別:両性   種族:ベビースライム

称号:純真無垢なる存在


HP=生命力:1/1

MP=魔力:1/1

HUN=満腹度:1/100

STR=物理攻撃力:1

VIT=物理防御力:1

INT=魔法攻撃力:0

MIN=魔法防御力:1

AGI=素早さ:1

DEX=器用さ:1

LUK=幸運:10


スキル:捕食Lv0


————————————————————



「なっ、なんて儚い存在なんだ…。一撃で即死しちゃうステータスじゃん(汗)」


 しかしそんなほぼオール1のステータスの中で、キラリと光るLUKの10!!

 そうだよね。だって、ご両親があんな状態で亡くなってたのに無事生まれてこられたんだから。

 喜びと悲しみがごちゃ混ぜになって何だか切ないけれど、今はただこの子を祝福してあげたい。


「すごくがんばったね!生まれてきてくれてありがとうね!でも、本当に良かった〜!!」


 言葉を贈るとともに微笑みかけると、その小さな体をぴょんぴょんはずませている。

 目もとを見るとどうやら嬉しがっているらしい。

 超絶可愛い。

 あまりの愛らしさに心を決める。

 もうこの子はウチの子!絶対誰にも渡さん!!ともはや決定事項のようだ。

 一応本人?にも了承してもらうべくベビースライムに話しかける。


「ウチの子になってくれる?」


 するとベビースライムの体がまばゆい光を放った。

 光が収まると同時にシステムアナウンスが流れる。


《従魔契約が成立いたしました。名前を設定してください。そして、アイテム“純真のピアス”を入手いたしました。アイテムを装備してください。》


 矢継ぎ早に聞こえてくるシステムアナウンス。

 内容を理解するのに少々間が空いたが、指示されたとおりまずはメニュー画面の操作を行うことにした。


「名前はじっくり考えたいから後回しにして、まずはアイテム確認からだな」


 両手に乗せていたベビースライムを片手で支え、メニュー画面のアイテム欄にある“純真のピアス”をタップしてみる。



【純真のピアス】

従魔契約書であり絆の証。

親愛度UP+通訳機能付き。



「ふお〜!とってもナイスなアイテムじゃないですか!!」


 だってさだってさ、モンスターだし赤ちゃんだし、意思疎通できるアイテムなんて喉から手が出るほど欲しいじゃん。

 ウキウキな気分ですぐさま装備ボタンをタップする。

 ちなみにこのピアスは、契約が破棄されるような事態にならない限り決して外れない仕様らしい。

 奪われたり失くしたりする心配がなくて大変喜ばしい。

 なんてことを考えながら、再びベビースライムと目線を合わせる。

 すると、ぷるぷると体を震わせながら、何かをしきりに訴えているようだった。

 通常ならば何を訴えているのかわからないところだけど、でももう大丈夫。

 だって今は、通訳機能付きピアスを装備してるんだもの。

 これで意思疎通はできるはずだし、さっそく話しかけてみよう。


「どうしたの?」


 すると頭の中にいとけない声が聞こえてきた。


「まま〜、おなかしゅいた〜」


 衝撃が走る。

 まっ、ままだって!?

 結婚したことない、子ども産んだことない、こんなないないづくしのアラサー女がままでいいのか…、少しばかり疑問符が残るが、この子はウチの子と決めたのだ。

 今更後悔はすまい。

 精一杯愛してあげるのだと固く決意する。

 しかし、赤ちゃんだけどしゃべれるのはやっぱりこのピアスのせいなのかな?

 まあ何にせよ可愛いからいいか〜。

 ってかそういえば、満腹度が1/100でヤバかったんだと重大な事実を思い出す。

 でも、ベビースライムって何食べるんだろ?

 確か、スライムは雑食で何でも食べるって聞いたけど、赤ちゃんだしな〜、一応本人?に聞いてみよ。


「君は何食べれるのかな?」

「んとね、たべものらったらなんれもたべれうよ?」


 舌足らずな口調にデレデレしつつ、ちょこっとだけ待ってもらう。

 アイテムボックスなっているウエストポーチとストレージの中身を漁りつつ、この子に食べさせて良さそうなものを吟味する。

 やっぱ変なもの食べさせたくないしな〜とすでに親バカを発揮している様子だ。

そんな時、なかなかにいいものを見つけた。


「初めての食事だし、これなんかどうかな?妖精たちからもらった木苺なんだけど、甘くてみずみずしくて、それに小さいから食べやすいと思うよ」


 果物だし体に良さそうじゃない?とひとりご満悦である。


「うわ〜い!おいひそ〜!!」


 すると、胴体の一部、おそらく口があるであろう場所に大きな穴ができた。

 いわゆるあ〜んの形だ。

 どうやら口に入れてくれるのを待っている様子だったので、へたの部分を取り除いてやってからそっと口の中へ入れてみる。


「おいひ〜〜〜!!まま〜、とってもあまいよ〜」


 喜んでもらえたようで何よりだ。

 しかし、無色透明な体なので、木苺が吸収されて消えていくさままで見えてしまうのが難点だな、と独りごちる。

 それから、ベビースライムが満足するまで、ひとしきり木苺を与え続けた___。





 後日、ベビースライムに名を与え、両親について知っていることをすべて話し終えると、コウの目の前で遺体を火葬した。

 幼いながらも何か思うところがあったようで、目を潤ませながらも終始泣き出すことはなかった。

 火葬後に残った核は、遺骨として棺代わりの小さな宝石箱に入れることにし、景色の良い静かな場所にでも埋葬しようかと考えていた。

 けれどもやっぱり、コウが両親の存在を近くに感じていられるようしてあげたいと思い直し、最終的には我が家にお墓を作ることに決めたのだった。

 その話も余すことなくコウに伝えたところ、とても嬉しそうにしていたのが印象的であった。

 だがしかし、今現在はあくまで仮住まい。

 いずれ買う予定の、我が家の庭で眠らせてあげられるその時まで、もうしばしの間、みんなを待たせてしまうことになってしまった。

 が今は、約束のその時まで、私のストレージの中で休んでもらっている…。

がんばりました!

しかしこのままだと、序章が全11話ぐらいになってしまいそうだ…。

四大精霊との出会いを端折るか、う〜ん、悩ましい……。

ですが今のところ、全員分書きたいほうに気持ちが傾いております。

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