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裏切り
僕と班長はずっと走っていた。作戦終了するには領土をある程度獲得しなければ終了しないのでおそらく手こずっているのだろう。
正直走り続けて疲れてきたので攻撃班のやつらには頑張ってほしいのだが囮の僕達のことなど考えていないのだろう。
僕たちに武器を持たせずに走らせているのは死なせるためだろう。おそらく他の班員はほとんど死んでいる。
僕たちは死ぬ運命だが、抗えるのならば極力抗いたい。死にたいと思う奴なんて頭がおかしいやつしかいないに決まってる。
「もうすぐで合流地点だな。」
「そうですね。」
「はあ・・・。俺も実行はしたくなかったんだが・・・。」
「何をですか?」
「すぐに分かるよ」
僕は何のことかさっぱりだった。ただ嫌な予感だけはしていた。
「すまない、浅沼。俺は・・・反APD派なんだ。」
そういって班長は僕の腹に攻撃班しか持っていないはずのアンチソードを突き刺した。
「浅沼、君だって知っているだろう。俺が班員を殺してるって話。あれ本当なんだぜ。」
そういって班長はアンチソードを抜いた。
「すまないな・・・。浅沼。」
僕には走り去っていく班長が・・・死神に見えた。




