楽しいこと
ひだまり童話館の企画「開館1周年記念祭」
お題「記念日な話」参加作品です。
ある森のなか。動物たちが話しています。
「……があるんだってさ」
「へえ、そうなのかい。それはぜひとも行かなくてはね」
熊が狐に話していました。そして狐はうさぎに話しました。
「……があるんだって」
「そうなの。行くわ」
うさぎは鹿に話しました。
「……があるらしいわ」
「知らせてくれてありがとう」
鹿はねずみに話しました。
「何かあるらしいよ」
「何かって?」
「楽しいことらしいよ」
こうして森の動物から動物へと話は広がっていきました。
そして何かがある当日。動物たちがぞくぞくと集まってきました。
「結局何があるんだい?」
「よくはわからないけど、楽しいことがあるらしいよ」
「それはぜひ行かないとね」
話を最初に聞いて内容を知っている熊を先頭にやってきたのは、「ひだまり童話館」。
今日は「ひだまり童話館」の一周年記念日だったのです。動物から動物へ伝えられるうちに、「記念日のお祝い」が「何か楽しいこと」に代わっていたようです。
でも、「記念日」は楽しいことでした。
みんなが来てくれて、タマ館長は喜びました。
「今日は来てくれてありがとう!楽しんでいってくれだにゃん!」
タマ館長の言葉とともに、宴会が始まります。タマ館長は動物たちの好きな食べ物を用意していたのです。今日ばかりは無礼講。みんな飲んで食べて、楽しく過ごしました。そしてみんなは言いました。
「「「ひだまり童話館開館一周年おめでとう!」」」
以下はひだまり童話館が開館したときに寄稿したものです。
※ふざけた内容です。
『ひだまり童話館開館』
「ねえ、タマ館長」
「にゃんだね。スタッフその1」
「名前くらい覚えてくださいよう」
「面倒だにゃん」
「それはそうと、ひだまり童話館が開館したんですよ~」
「ほう、それはめでたいにゃ。お祝い品でも送るかにゃ」
「ひだまり童話館はうちですよ」
「にゃんだと!?館長は誰にゃ」
「だからタマ館長ですよ~」
「ワタシが館長だったのは、ひだまり童話館だったのかにゃ」
「頑張りましょうね!」
「うむ、頑張るにゃ。では早速......」
「タマ館長、何寝てるんですか!」
「ワタシは寝るのが仕事だにゃ」
こうして仕事はスタッフに任される。