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僕はすべてを悟った気がした。

作者: あまね人

初めての小説をかかせていただきました。

最後まで読んでいただけたら感謝いがいの言葉がでません。

 それは7月のジリジリとした暑い夏。

2012年12月人類滅亡とうたわれてからはや10年の月日が流れていた。

その頃、小学生だった僕は死ぬ前に楽しもうと今までにしたことのない事をして母親にたっぷりと甘えた。

だが2013年になり何も起こらなかった時の自分の恥ずかしい感情は今も鮮明に残っている。


「今日そっちに帰りたいんだけど大丈夫?」

慣れた手つきでメールを打つ。その時時計にはAM8:00と表示されていた。

ソファに座るとオートでテレビがつきコーヒーが運ばれてくる。

角砂糖をひとつ入れ、軽くかきまぜ音をたてて飲んでいたところで別の音がテレビの音と混ざった。

視線をテレビからソファにずらし着信を確認する。

「久しぶりだね。 かえっておいで」

と優しい顔文字のついたメールがかえってくる。

僕はすでに準備はできていたのですぐに家をでた。

飛行車に乗りナビに目的地を教える。到着時間はPM7:45と表示された。

時間があるな、そう思い飛行車では音楽を爆音で流し目を閉じた。


 「到着しました。お疲れ様でした藤原様。」

僕はナビの声で目をひらく。飛行車を降りると目の前には懐かしい風景と古びた家がある。

この古びた家が僕の家だ。両親は比較的お金を持っているにもかかわらず引っ越さないのだ。

父いわく

「この古い感じがなんともいえない味をだしているだろう」

誇らしげな父の顔を思い出し僕は少し笑ってしまった。

古い家なのでガードが居ないためセミの心地よい声をBGMにインターホンに声をかける。

「母さん、ただいま」

僕は開いたドアの向こうの母をみて落ち着いた。


「久しぶり。 浩二ったら全然連絡くれないんだもの。 会社はどう?」

「いい軌道にのってるよ。 これからはやっぱり電子の時代だ。 埋め込み形メモリーカードが飛ぶような勢いで売れてるんだ」

会社の話をしていると父が二階から降りてきた。

「帰ってきていたのか」

父はいつもこうだ。少し遅れてくる。 大勢でつるむのは苦手なタイプの人だ。

「あぁ、 ただいま」

父は僕から目をそらす。

「倉庫のほう少しのぞいてきていいかな? 会社で新しい企画を作るのに役立てたいんだ」

「ああ、 好きに使えばいい」

父がそういうと母がつづけて

「すぐにご飯できるからね」

母の手作り料理だ。僕は「あぁ」と返事をし、倉庫に向かう。

今はデータ化されていて”本”という言葉の存在自体危ういが、うちの家の倉庫には本がたくさんある。

僕は今はなき本を倉庫で探すために家に戻ってきた。 と、いっても過言ではないかもしれない。

倉庫のスイッチ式のボタンを押し電気をつける。

「また量が増えたか・・・・・・?」

前にも増して古臭い雰囲気をおびた倉庫で本をあさる。

ガタッ

本に足をぶつけ山積みにされていた本たちが電子推進派の僕にこれでもかと言わんばかりに襲い掛かってきて、ずっしりとした重みを感じる。

「うっ・・・・・・」

のしかかってきた本をよけて立ち上がる。

「・・・・・・これは?」

ひときわキレイな赤い箱を見つけた僕はそれを手にとった。

その赤い箱を開けると古そうな書物がでてきた。

古そうな書物を開くと、それはマルシャル語だった。マルシャル語は数年前に確認された猿が人類に進化を遂げる前に生存していたモルゲルという人種の扱う言葉だった。

ついでに、モルゲルは感染病で滅んだと言われている。

モルゲルのマルシャル語はとても特徴的で、子音が何かのマークがくるっと丸まっていて、母音はトゲのような形だ。

僕はモルゲルのマルシャル語をよめた。なぜならば親友(研究者)が強くすすめてきたからだ。

「これはガチで合コンで使えばモテるから!! 間違いねぇから! ほら、中学時代英語しゃべれる奴ってかっこよかったろ? あれと同じ同じ。仕組みは日本語とにていて簡単だから」

と無理くり押し付けられて会社で売られている埋め込み形メモリーカードで覚えた。

しかし合コンでは

「なにそれ~wうける~w」

まったくもって理解してもらえなかった。

ちなみにそれ以降もその親友はいろいろな知識をおしつけてくる。

さながら営業マンのようなやつだ。


その赤い箱にはいってあった古そうな書物にはこう記されてあった。

タイトルは、 私たちは生まれ変わる


「私たちは今どの歴史の、どの世界の生物よりもはるかに進んだ薬を開発した。

 そう、それは何もせずにも生きれるというとても素晴らしい薬だ。

 まず、私たちがなぜ薬を開発せねばならなかったというと、

 私たちの文明は過去最大の難関な壁にぶつかっていた。

 それは食料危機だ。

 とても多きな地震や突然の気温低下で気温は常に-10度を下回りとても住める環境ではなかった。

 それで私たちはラボに隠れて非常食で命を繋いでいた。

 それから半年、非常食も尽きたが誰一人生きるのをあきらめなかった。

 一か八か何もしないでここで死ぬよりはと、どうなっているかわからない地上へでると

 そこには暖かい空気ととても気持ちよく晴れ渡った空がひろがっていた。

 私たちは歓喜した。

 しかし、私たちは気づいたのだ。そこには晴れ渡った空、あったまった石と地面しかなく

 私たち以外の生物が存在していないと。

 そして私たちは今まで作ってきた薬すべてを捨て、使えるものは混ぜ合わせ

 薬を開発した。

 その薬は太陽の光と空気だけで生きることができるというものだった。

 信じることはそう簡単はないが、ラボの責任者のアヴェドが言うのだから

 間違いはないであろう。私はこれをとてもうれしく思う。

 しかし、姿が少し変化してしまうらしく、不安は隠しきれない。

 だけど私たちが生きるためにはこれしかないのだ。

 私たちは全員薬を飲んだ。」

と、ここまで記されていてあとは空白のページだった。

僕はそれを読み、世の中の事、すべてを悟った気がした。

その後、僕は会社を退職した。

製作時間は3時間ほどです。最後までお付き合いしていただきありがとうございました。

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