「遠い記憶」回想1
本編の続きが書けない…。
ネタは浮かんでるんですが、文章にできないという困った状況に。
そんなわけで今回は回想編。短い上に、これだけだと意味不明。
今回は過去回想なんで、本編というより準本編のような扱いです。
超短いです。読まなくてもまぁ大丈夫です、多分。
周囲に求められるままに、俺は動いた。
気づいた時には、俺の周りにいた奴らは俺よりもずっと弱くて、当然のように俺に傅き、それでいて俺の力を求めた。
これじゃどっちが主なんだか分かったもんじゃない。
だが、俺が倒すべき相手とやらは意外に手ごたえがあった。そのおかげで結構楽しめたから、それでも良かったんだ。
「――あの、貴方はそこで何をしているの?」
そこに居たのは、奇妙な少女だった。
それは、こちらを見て、間抜けな問いを発してきた。
…この少女は、一体何を言っているのだろう。
――その問いを、お前等が、俺にするのか?
俺はその少女を見る。ただじっと。
すると少女は突然おどおどした様子になった。
それを見て俺は、ああ、やはり、と思う。
「あ、あの私は…ええと…別に迷子とかじゃ…ない、から」
よく分からないことをぶつぶつと言っている。
ぼそぼそとした声で何かを言っている。
――人間の娘が、俺に向かって何かを言っている。
『お前は…』
「えっ?」
少女が驚いたような顔でこちらを見た。
俺はその顔に向けて手を伸ばす。
「お嬢ちゃん、危ない!」
『……』
「…え?」
人間の声が聞こえた。
「“ お 前 の そ の 手 は 炎 に 焼 か れ て い る ぞ ”」
呪いの言葉が聴こえた。
ぼっと激しい音を立てて、俺の手が燃え上がった。
「……っ!?」
目の前で炎が上がったことで、少女の目は驚きに見開かれた。
対して俺の方は、さほど驚く必要もなかった。
人が近くにいた事には気づいていたし、奴らが“こういうこと”が出来ることも知っていた。
案の定、茂みから複数の人間が飛び出してきた。
「お嬢ちゃん、大丈夫か!?」
「え…なに、が…?」
人間の一人は混乱する少女の腕を掴んで、声をかける。
そして彼らは少女を守るように俺の前に立った。
「こいつはマヤカシだ。それもかなり高位種に違いねぇ!」
人間たちが、こちらを睨みながら叫ぶ。
これが、俺と人との当たり前の関係で、特に何の疑問もない。
燃え盛る手を見ながら、俺はぼんやりとそう思った。
ああ、だけど――、
――思えばこれが、彼女との最初の出会いだったんだ。
次回こそ、ちゃんと本編を書いてみせる…。