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第四章:世界の流れ

時はゆっくりと、しかし確実に流れ始めた。秋の水が音もなく黄金の葉を運び去るように。




俺は毎日、食堂に通うようになった。仕事はそれほど重くはなかった。給仕に掃除、時には厨房の手伝い。しかし、毎朝俺を目覚めさせたのは、仕事ではなかった。外の世界だった。一日が過ぎるごとに、俺はこの魔法世界のことを少しずつ理解していった。そして理解すればするほど、それは、かつて東京のガキだった頃に俺が夢見て想像した魔法の世界と、奇妙なほど似ていることに気づいた。




ここはただの魔法がある世界じゃない。魔法の上に築き上げられた世界なんだ。




やがて、俺は自分の住む土地の名を知った。ナディ。ヴィナ王国に属する小さな領地だ。国そのものは、それほど大きくない。地図で見れば、『世界史』で読んだ巨大帝国と比べると、ほんの点のようなものだ。しかしヴィナには、全世界が敬意を払うものが一つだけあった。神殺しの戦士たち。伝説の生き物とすら互角に渡り合える戦士たち。何世紀にもわたる伝統の中で鍛え上げられた者たち。この国は経済でも政治でも強くはない。しかし、誰もこれを侵略しようとはしない。ヴィナの戦士たちは、すべての敵にとって恐怖の象徴なのだ。




魔法は至る所にあった。食堂では、料理人が火の魔法で調理をし、給仕が風の魔法で床を掃く。街灯を灯し、植木に水をやり、屋根を修理するのにも魔法が使われる。魔法は贅沢品でも珍しいものでもなかった。それは、俺の古い世界での電気や水道のように、日常生活の一部だった。




しかし、俺は別のことにも気づいた。毎日見かける魔法は、どれも単純で、繰り返しだった。料理のための小さな火。埃を掃くそよ風。野菜を洗う水の粒。誰もそれ以上のことはしなかった。まるでそれだけしか知らないかのように。まるで彼らの魔法は、基本的な欲求を満たすだけのものに制限されているかのように。




かつて格闘した教則本を再び手に取り、俺はさらに調べた。そして徐々に、その仕組みを理解していった。




水、土、木、火といった基本元素は、最も学びやすい。数ヶ月の訓練で、たいていの者は基礎的な扱い方を身につけられる。だが、それは表面に過ぎない。それぞれの元素には複数の階梯があり、一歩ずつ登っていくのは、とてつもなく困難なことだった。ほとんどの庶民は、どんなに頑張っても第一階梯か第二階梯が限界だ。それが彼らの到達点なのだ。本格的な訓練を受けた兵士なら、第三階梯に達することもある。生涯を魔法研究に捧げた専門の魔術師であれば、第四階梯に触れることもできるだろう。




そして第五階梯。それが、現在この世界で認められている最高峰だった。第五階梯に達した者は、最強の魔術師と見なされ、戦場の流れすら変える力を持つ。生ける伝説だ。




しかし俺は、第六階梯と第七階梯についての囁きも耳にした。人の限界をはるかに超えた二つの領域。「神聖階梯」と呼ばれるそれらは、伝説の生き物だけが持つとされる力だ。それが実在するのかどうか、多くの学者が議論している。ただの神話だと言う者もいれば、遠い過去にその境地に達した者がいたと信じる者もいる。しかし、誰もそれを証明することはできなかった。




これらすべてを、俺は読んで学んだ。だが、読むことと理解することは別だった。俺は相変わらず、たった一つの魔法すら使えなかった。どんなに小さな魔法でも。




そしてある日、その事実が、俺の予期しない形で露わになった。




その日、食堂で、オットーという名の、がっしりとした体格の声の大きな男が、暖炉用の薪の積み方を教えてくれていた。彼は薪の山を指さして言った。




「ここは、ちょっと火の魔法を使えば終わるんだ。」




俺は動けなくなった。薪の山を見て、それから彼を見た。気まずい沈黙が流れた。




「俺…魔法が使えないんです。」俺は、ほとんど囁くような声で告白した。




オットーは、俺が月から来たとでも言ったかのような顔で俺を見た。ぱちぱちと瞬きをする。二度。三度。それから彼は小首をかしげ、困惑した表情で言った。




「お前…魔法が使えないのか?」彼は聞き間違いでないことを確認するかのように繰り返した。「つまり…お前、抗魔の者なのか?」




「抗魔の者?」今度は俺が困惑する番だった。「抗魔の者って何ですか?」




オットーはため息をついた。まるで、初めて都会に出てきた田舎者に説明するような顔だった。




「抗魔の者っていうのはな、生まれつき空気中の魔法の流れを感じ取れない奴らのことだ。体に何か――自然の障壁みたいなものがあって、魔法が触れるのを阻むんだ。魔法から隔離されてる。だが、その代わり、魔法の影響も受けにくい。強力な魔術師なら村一つ焼き尽くせるが、高レベルの抗魔の者なら、その炎のただ中に立っても平気なんだ。」




俺は心臓の鼓動が速くなるのを感じながら聞き入った。




「二百年前にな」とオットーは続けた。「抗魔の者たちが集まって、独自の流派を立ち上げた。最初はすごく小さな集まりで、誰も本気にしなかった。でも時が経つにつれて、彼らはとんでもなく強い戦士を生み出すようになった。最強の魔術師ですら圧倒できるような奴らをな。連中は魔法を使わない。自分たちの抗魔の力そのものを武器にするのさ。もしお前がそうなら、その流派に弟子入りできるぜ。まだ弟子を募集してるはずだ。」




俺は立ち尽くし、沈黙した。頭の中がぐるぐると回っていた。俺が抗魔の者なのかどうかは、わからない。でも、確かなことが一つだけあった。俺は魔法を使えない。そしてオットーの言うことが本当なら、俺は無価値じゃないのかもしれない。ただ、間違った場所に立っていただけなのかもしれない。




しかし、それ以上考える間もなく、別の問題が持ち上がった。




俺が毎日何時間も家を空けていることは、両親の目を逃れられなかった。彼らは探りを入れ始めた。最初はただの好奇心からの質問だった――「今日はどこに行ってたんだい?」――しかし、次第に疑いの色を帯びてきた。ずっと隠し通せないことはわかっていた。そして正直なところ、もう隠したいとも思っていなかった。




ある晩、家族全員が食卓を囲んでいる時、俺はスプーンを置き、はっきりと言った。




「町の食堂で働き始めました。」




食卓が静まり返った。父――ジェラルド――がコップを置き、困惑したように俺を見た。母――ロザリンド――は、自分の耳が信じられないというように、何度も瞬きをした。




「家は金に困ってないのに、なぜ働くんだ?」父が尋ねた。声は怒ってはおらず、ただ純粋な疑問だった。




俺は首を振った。「お金のためじゃありません。ただ…外に出たかったんです。この世界を理解したくて。」




また沈黙が流れた。それから俺は深く息を吸い込み、続けた。




「魔法を学びたいんです。」




その言葉を口にした瞬間、母が息を呑んだ。そして、彼女の顔が長雨の後の太陽のように輝いた。その目は潤み、満面の笑みが唇に浮かんだ。




「本当? 本当に魔法を学びたいの?」彼女は興奮した声で尋ねた。「まあ、なんて嬉しいの! ずっとこの日を待っていたんだから!」




彼女は喜びを分かち合おうと父の方を向いた。しかし父はただ黙って座っているだけだった。その深い青い目は俺を見ていたが、俺を通り越して、何か遠くを見ているようだった。




俺はそれに気づいた。しかし、彼の頭の中で何が起きているのかはわからなかった。




父は何も言わなかった。ただ静かに座って、両手を組んで机の上に置き、じっとしていた。その顔には感情が表れていなかったが、その目の奥で何かが渦巻いているのが見えた。記憶。痛み。葛藤。




「あなた、嬉しくないの?」母が、夫の沈黙に気づいて声のトーンを落とした。「息子が魔法を学びたいんです。ずっと待ち望んでいたことじゃないの。」




父はまだ答えなかった。彼はただ、ほとんど気づかれないほど小さく頷き、立ち上がった。




「ちょっと…考えさせてくれ。」




そして彼は食卓を離れ、書斎へと向かった。後ろ手にそっと閉まるドアの音がした。




母はその後ろ姿を見送り、顔に一瞬、心配の色が走った。しかしすぐに私に向き直り、少しぎこちないながらも微笑みかけた。




「心配しないで。お父様はただ…少し感情的になっているだけよ。この日をずっとずっと待っていたから。」




俺には理解できなかった。だが、それ以上は尋ねなかった。




その時、それまで隅で黙っていたセドリックが、突然声を上げた。




「兄さん、魔法を学びたいの?」




その声は熱意に満ちていた。栗色の目が輝いている。




「じゃあ、僕が手伝うよ!」彼は決意に満ちた声で言った。「僕も魔法を習ってるんだ。兄さんに基本を教えてあげられるよ! あんまり上手くないけど、でも頑張るから!」




俺は弟を見つめた。あの日、剣の稽古を断った弟。一人で庭に立ち、二本の木剣で素振りをしていたあの少年。それでもまだ、俺を助けたいと言うのか。




奇妙な感覚が胸に込み上げてきた。




「ありがとう。」俺は言った。今度は、心からそう思った。




母は私たちを見つめ、目に涙を浮かべていた。彼女は目尻を拭い、それから――澄んだ、幸せそうな笑い声を上げた。




「わかった、わかったわ。それじゃあ明日から始めましょう。母さんも教えるわ。大した魔術師じゃないけど、始めるのに十分なことは知っているから。」




こうして、その夜の夕食は、驚くほど温かな雰囲気の中で終わった。母は笑い続け、セドリックは俺に教えたい魔法の話を止めようとしなかった。一番小さなリリアンでさえ、おずおずと、俺の練習を見ていいかと尋ねてきた。




俺は全てに「ああ」と答えた。




そしてこの世界で目覚めてから初めて、自分がこの家の中で、もはや見知らぬ他人ではないように感じ始めていた。




---




その夜、俺は眠れなかった。




ベッドに横たわり、木の天井を見上げながら考えていた。魔法のことじゃない。食堂の仕事でもない。父――ジェラルドのことだ。彼の沈黙。あの遠くを見つめる目。




何か、彼が口に出さなかったことがある。何か大切なことだ。俺にはそれが感じられた。しかし、それが何かはわからなかった。




そして俺が寝返りを打っているその頃、別の部屋でも、父は眠れずにいた。




彼は書斎に座っていた。揺らめく蝋燭の灯りの下、目の前には古い本と黄ばんだ手紙の山。しかし、それを読んではいなかった。ただじっと座り、深い青い目で、何もない虚空を見つめていた。




彼の頭の中では、記憶が渦巻いていた。




十年前。




金色の髪と輝く目をした五歳の息子が、自分の前に立って言った。「父上、魔法を学びたい!」




そして彼は許した。そしてその息子は、全世界を驚かせた。




天才アルベール。七歳で四つの基本元素すべてを第四階梯にまで到達させた子。王国最高の魔術師たちが、もはや教えることは何もないと頭を下げた子。




そして――その子は倒れた。




奇妙な病。萎えていく体。周囲から薄れていく魔力。五年もの間、家族は手を尽くした。最高の医者。最も偉大な魔術師。誰もが挫折した。




名門貴族ローウェル家は、王都の邸宅を売り、地位を捨て、この辺境の田舎に移り住んだ。すべては、たった一人の息子を救うためだった。




しかしジェラルドは知っていた。それが自然の病などではないことを。




ローウェル家は王家の血を引く。そして王家において、突出しすぎた天才は祝福ではない。呪いだ。王位を脅かす可能性のある子供を、親族の叔父叔母や従兄弟たちが黙って見ているはずがない。




彼は、息子が毒を盛られたのだと確信していた。検出不可能な毒。魔力の経路を破壊するために特別に設計された毒を。




しかし証拠はなかった。




そして彼には、王家全員と敵対する力はなかった。彼は一族の末子だった。軍隊もなく、政治的影響力もなく、同盟者もいない。家族を守る唯一の方法は、退くことだった。王都を去り、政界から去り、玉座に興味がないことを示し、家族を脅威とは思わせないことだった。




そして彼はそうした。すべてを――名声も、財産も、地位も――愛する者たちを守るためだけに、捨て去った。




そして、息子は目を覚ました。五年の後。何もかもを忘れて。白紙のページのように。




そして今、その子は再び彼の前に立ち、言った。「魔法を学びたい」と。




十年前と、まったく同じように。




あの目。あの言葉。あの好奇心。




ジェラルドは目を閉じた。指が机の端を握り締める。




「私の息子が戻ってきた。」彼は暗闇の中でそう呟いた。「だが、あの子を再びあの道に進ませるべきなのだろうか?」




彼は目を開け、目の前で揺らめく蝋燭の炎を見つめた。




「前回は…守ってやれなかった。」




「今度こそ、私はどうすればいい?」




蝋燭の炎は、最後に一度大きく揺らめき、そして消えた。ジェラルドを暗闇の中に、答えのない問いだけを残して。



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