LOG.5|大人の遊び|WEED
2号機と不倫した後、
そこから先は、
まじでネズミ講みたいだった。
沼った2号機は、
週に2、3回は
俺のマンションに来るようになっていた。
そんなある日、2号機が言った。
2号機
「ねぇ、シン。」
「うちの友達、呼んでもいい?」
「その子もレスでさ、疲れてて……」
「新婚なんだけど…」
「同棲から ずっとレスで…」
「遊び足りないって愚痴ってたんだ。」
「ね、いいでしょ?」
シン
「そりゃいいな!」
「俺も友達呼ぶわ!」
「皆で遊ぼうぜ!」
その日の夜、
俺はリュウトに電話をかけた。
シン
『よう!ボケナス!』
『お前、来週こっち泊まり来いよ!』
リュウト
『あん?』
『なんでだよ?』
『どした?』
シン
『遊ぼうぜ』
『おもしれーんだよ』
『実はよぉ…』
全てを説明した。
リュウト
『マジかよ!』
『行きますよ先生!』
『お誘い助かる~!』
シン
『さすがエロガキ!』
『じゃあ来週な!』
『酒買ってこいよ!』
リュウト
『お前にだけは言われたくねぇ』
『どっちがエロガキだよ…。』
ーーー
そして1週間後。
本当にもう一人が来た。
しかも、また“不倫”。
玄関を開けた瞬間、
「あ、地雷だ」
って2秒でわかるタイプだった。
年齢は30歳で
髪型はツインテール…。
整形バキバキの顔…。
だけど、妙に愛嬌があった。
笑うと、
子どもみたいに無邪気だった。
最近"水揚げ"されたばかりで
新婚ホヤホヤらしい。
新婚ホヤホヤで不倫…って。
3号機
「おや、不良少年が2匹。」
「はじめまして~、おじゃま~」
「ノド乾いた〜無理すぎ~」
と言って勝手に冷蔵庫からエナドリを取り出す。
足で冷蔵庫の扉をバンッと閉めて
ダル着を脱いでキャミになる3号機。
リュウト
「うおー!」
「めっちゃ可愛いやん!」
3号機
「ありがとっ」
返事ついでに
ムギュっと谷間を寄せる3号機。
完全に自由人。
3号機
「で…シンくん」
「あなた、サヤカさん指名でしょ?」
「私、実は知り合いなの。」
「私もキャバやってんのよ。」
エナドリを飲みながら
ジッと俺を見つめてくる3号機。
シン
「マジか、店が同じなのか?」
3号機
「いや、竿姉妹。」
アイコスをカチャカチャと
準備しながら3号機が言った。
"当たり前"みたいなトーンで。
シン
「お、おう…そうか…」
リュウト
「俺も身内にしてくれよ!」
「頑張るぜぇ~」
空気に向かって
腰を振るリュウト。
イケメンなのに
モテないのには理由があるな…。
3号機
「あはは、きっしょ!」
2号機
「きもぉい」
気づけば4人でダラダラ話しながら
そのまま夕方になった。
その日を境に、
俺のマンションは
アラサー人妻のたまり場 に変わった。
ーーー
2回目に集まったとき、
3号機が、
コンビニ袋をぶら下げてやってきた。
3号機
「シンくん、これ知ってる?」
「セブンスターじゃなくて…」
「セヴァンスターってやつ」
見た目が明らかな、ソレ。
HIPHOP界隈の人が吸う、
ソレだった。
自慢じゃないが
俺の地元は治安が悪くて
"そんなもの" は見慣れていた。
一本吸った瞬間——
世界がフワッ…と傾いた。
なかなか、悪くなかった。
3号機
「ね? やばいでしょ〜?♡」
「これに酒とエナドリぶち込むの♡」
シン
「なんか…ぷ!はは!」
「勝手に笑っちゃう!ははは!」
2号機
「えー楽しそう!ウチもやる!」
リュウト
「おい!俺にも!」
3号機
「みんなでハッピーハッピーしよ~♡」
そこから。
そこからだ。
吸って、酒飲んで、エナドリ飲んで
ネトフリ見て笑って、ドミノピザ食べて
それぞれの部屋でシて、
また吸って…
この “大人の遊び” が完全にテンプレ化した。
ーーー
4人でアパートに集まるたびに、
床にはピザの箱。
テーブルは、
エナドリ缶とスト缶で埋まり、
机の端には例の“セヴァンスター”。
仕事で疲れた身体が、
平日の昼間っから
勝手に家に来る人妻たちの
空気でゆるんでいく。
白昼夢みたいな時間が続く。
しかし、忘れちゃいけないのが
全員"人妻"なこと。
つまり、夜には帰る。
夜は…
結局男だけだった。
シン
「むさ苦しいな…」
リュウト
「んなこと言うなよ。」
ブッ
リュウト
「あ、わり。」
「屁が出た。」
シン
「………むさ苦しいな。」
ーーー
そして……
当然、
そんな生活をしていたら…
仕事への意欲なんて
薄れていくに決まってる。
現にこの時点で
もう仕事する気が無くなっていた。
現場は全部、
部下にやらせて
マンションに帰っていた。
マンションに帰れば、高確率で
2号機か3号機か
リュウトか誰かしら、勝手に部屋にいた。
うーん…
なんか...
大事なことを忘れている気がする。
なんだっけ?
ま、いいか。
俺は、
壊れていく自覚より、
日常の快楽のほうが勝っていた。
ずっとこのまま、
ダラダラしてりゃいいや。
いやー、
”最高の人生”だ...。
この時は、
本気で、そう、思ってた。




