LOG.4|そして、神へ|GOD
おかえり、また来たの?
こんな人生で、マトモは無理。
これが実話かどうかは、貴方が決める。
これは、"あの子"がいない世界。
————
モデル探しの旅が始まった。
そこで俺は
そもそもなことに気づく。
安く済ませようとするのが
間違ってるのか…?
やがて意味不明な思考に辿り着く。
…稼げば、勝手に集まるんじゃないか?
街で目立つほど稼げば、
サヤカさんも、
その辺にいるギャルも、
“きゃーシンすごーい” って
すっぽんぽんでヨダレ垂らして
TikTokに出まくってくれるハズだ。
そうだ!そうに違いない!
ーーー
俺は本気をだした。
SNS運用の教材を買い漁り、
ビジネスの勉強を毎日した。
無料セミナー、
有料セミナー、
ビジネス交流会、
なんでもかんでも
参加しまくって、
成功者の話を
メモ帳にビッシリ書いた。
お客様対応も鬼のように勉強した。
周りの職人のように
フレンドリー接客ではなくて
お客様として 心底丁寧に接客した。
すると…
今まで手取り60万だったのが、
気づけば 120万 に届いていて、
現場のスタッフも5人増えた。
やれるじゃん!俺!
がはは!俺は街の王で全ての1位!
俺様が通るぞ、道を開けろ!
…だが努力は、サヤカには届かない。
サヤカ
「すごいじゃーん」
「でもTikTokはシャンパンね」
「最低、ロゼ3本!」
「アタシ、安くないからね~」
クソが!
もっと俺を欲しがれ!
TikTokを
すんなり撮ってくれない苛立ちと
「こんなに魅力的になったのに…?」
「アフターすら来てくれないのか…?」
「もっと…抱かれたがれよ…!」
という感情が
順番に襲ってきて、
そろそろ耐え難いものがあった。
その反動は、
ある日突然“性欲の爆発”としてやってきた。
ーーー
仕事も伸びた。
金も稼げた。
でも夜になると、
どうしようもなく虚しかった。
その日、なんとなくスマホで
“高級メンズエステ”
と検索した。
…気晴らしのつもりだった。
近辺のエリアで
1番高いメンズエステを見つけた。
60分の料金は、
温泉旅館へ
家族旅行できるくらいの値段。
安かろう、悪かろうだからな。
絶対高いほうがいいに決まってる…。
スクロールしていたら、
目に入った名前があった。
サヤカ
もちろん本人じゃない。
顔も違う、雰囲気も違う。
ただ“名前だけ”だった。
せめて名前だけでも。
そういう、情けない気持ちで指名した。
ーーー
部屋に通されて、
会った「サヤカ」は
普通に綺麗で、
普通に優しい女性だった。
身長は俺と同じくらいで
おかっぱみたいな、
ぱっつん前髪のショート。
顔は朝ドラ女優のように
透明感抜群だった。
今にも、
"じぇじぇじぇ"と言い出しそうな雰囲気。
全然、本家サヤカとは違う。
でも、違うからこそよかった。
施術が始まって少しした頃、
彼女が聞いてきた。
セラピ
「メンズエステってさ...」
「彼女にはなんて言って来るの?」
「嘘つかなきゃ来れないよね?」
それは軽い雑談のつもりだろうけど、
俺にはちょっと刺さった。
シン
「いねーよ、そんなもん」
セラピ
「え!? 」
「その若さで...」
「ここに来れる経済力あるのに!?」
すごく素で驚かれた。
その“素のリアクション”が
なんか、胸にきた。
つい気分が乗ってしまった。
シン
「彼女……いらねーんだよね。」
「俺、エロい女好きだからさ」
「遊んでるくれーが好きなんだ」
正直、ウソだ。
自分でもわかってるが
すぐブチ切れるチビなんて
金持ってても付き合ってられない。
俺は…モテない。
セラピ
「……結婚は?」
「しないの?」
シン
「いつかはしてーな!」
「でも、もうちょい遊ぶ」
「結婚かぁ…いいな」
「犬飼って白い家住んで…」
「ま!今はセフレでいいや!」
「カラッとした女が欲しい!」
俺はうつ伏せのまま、
少し、足をパタパタさせた。
だが、
セラピは一瞬ポカンとしたあと、
なぜか笑わなかった。
代わりに、
少し息を飲んでからこう言った。
セラピ
「……それさ、既婚者でも、いいの?」
シン
「あん?」
セラピ
「私、既婚者なの。でも旦那が鬼レスでさ。」
「だから、ここで働いてる」
「旦那が15個年上でね…」
「たまには同い年くらいが良くて…」
「私まだ28だし、女ざかりじゃん?」
「でも遊ぶにしても…」
「独身のジジイしか寄ってこなくてさ…」
「ちょうど退屈してたんだよね。」
その“告白”が、やけに生々しかった。
そして、自然な流れで彼女が言った。
セラピ
「LINE……交換しない?」
「割り切りで会おうよ」
たぶん、
俺じゃなくても交換してたのだろう。
でもその時の俺は、
普通に嬉しかった。
ーーー
交換した翌日の昼。
LINEがきた。
セラピ
『今日ひま?』
『今旦那仕事でいないんだ。』
『お家、行っていい?』
その数十分後。
俺のマンションの前に
彼女が立っていた。
部屋に入った瞬間、
昨日の施術の時より距離が近かった。
そこからの流れは早かった。
セラピ
「んっ…!」
「やっぱ…若いって最高…!」
そこから完全にハマった。
彼女は、
“不倫”そのものに依存していった。
ーーー
気づけば夕方まで求め合っていた。
何時間、
2人で くっついていただろう…。
……俺、何してんだろ。
そう思った瞬間もあった。
でもその時の俺は、
暇つぶしの感覚のほうが強かった。
こうして、
“サヤカ2号機” 、
つまり、サヤカのレプリカが誕生した。
これが初めての"不倫"
そして俺はここから、
不倫遊びとモデル探しで
大忙しとなるのだった。




