LOG.3|ネオンの中で|NEON
おかえり、また来たの?
こんな人生で、マトモは無理。
これが実話かどうかは、貴方が決める。
これは、"あの子"がいない世界。
————
後日、
シンは"ある用件"があって、
キャバクラに来ていた。
黒服
「サヤカさんですよね?」
シン
「もちろん。」
「今日いるよな?」
黒服
「はい。います。」
「少々お待ちください。」
薄暗い部屋で
光るネオンと
響く洋楽。
シンには
凄く似合う空間だった。
黒服
「サヤカさんです」
サヤカが横に座った。
相変わらずの美貌で、
会う度にドキッとする。
ますます…
モデルに欲しい…
サヤカ
「あら~?」
「どーした不良少年?」
「この前来たばっかなのに」
シン
「いや、実はよ」
「頼みがあってきたんだ」
サヤカ
「何よ? デート?」
シン
「違う…。」
「今回は仕事の話だ。」
サヤカ
「え、珍し。」
「アンタが仕事の話なんて…」
「なによ仕事って?」
シン
「TikTok出てくれ」
「ウチのモデルとして」
俺がタバコをくわえると
すぐにサヤカさんが火をつけた。
サヤカ
「あら?今日は紙タバコなのね?」
シン
「ああ、たまにはな」
「アイコスは吸いごたえがねーんだよ」
プカーっと煙を吐く。
シン
「でよ、TikTokなんだけどよ、」
サヤカ
「ああ、はいはい」
「なにすればいいの?」
「アタシもやってるよ」
「見てこれ」
サヤカが
アカウントを見せてきた。
俺はビビった。
シン
「に、2万!?」
「フォロワー多いな!」
サヤカ
「なんか…踊ってたら」
「勝手に増えた…」
「ウケるよね。」
シン
「頼む!」
「ウチのTikTok出てくれ!」
「モエシャンと交換!」
サヤカ
「モエシャンかよ…」
「安くない?」
「シンのくせにショボイねぇ?」
シン
「くっ…!」
「やっぱ金取るか…?」
サヤカ
「あったり前じゃない」
「こちとら、メイ様よ。」
シン
「ん?」
「メイ…?」
よく見ると
アカウント名は
" MEI " になっていた。
シン
「なんでメイなんだ?」
サヤカ
「モデルの子の名前!」
「これファンアカウントだったの。」
「そしたらバズっちゃって…」
「私の名前みたいになっちゃった…」
「ただの推しなのにね...」
シン
「そんなことあんのか」
「何がバズるか分かんねーな」
サヤカ
「ねーホントよねー!」
「でさ、そのモデルが、」
サヤカが
スマホで検索して
画像を見せようとした。
サヤカ
「ほら、見て、」
それとほぼ同時に
黒服が入ってきた。
黒服
「お時間です」
「延長 なさいますか?」
シン
「あぁ!?」
「はえーな!」
サヤカ
「あらま、もう1時間?」
黒服
「はい」
シン
「今日は帰るわ」
「またLINEすっから」
「検討しといてくれよ!」
サヤカ
「はいはーい」
「気が向いたらねーん」
この時、俺は...
サヤカさんに頼むのは
悪手なんじゃないかと
少し思い始めていた。
何より……
値段が割に合わねぇ…。
俺はここから
モデル探しの日々になるが
その中で
新しい刺激を見つけてしまう。




