LOG.10|終わりの始まり|END START
俺の倍以上に、
リュウトはボコボコだった。
まだ、意識は戻らない。
病室には
警察がたくさんいた。
警察
「あ…。」
1人の警察官が俺に気づく。
警察
「災難だったね。」
「今は治療が優先だからね。」
「詳しい話は後日でいいから。」
「…今は被害者だからね。」
シン
「…はい」
警察
「でさ…君たちは…」
「一人で生活してる?」
シン
「はい」
警察
「ところでご両親は?」
「連絡が繋がらないんだけど…」
シン
「俺も、コイツも、」
「親には10年くらい会ってません」
警察
「…そうなんだ」
何やら
メモを書く警察。
警察
「今日は無理しなくていい」
「ただ、後で必ず連絡は取らせて」
シン
「……」
俺は、安い花だけ置いて
ゆっくり病室を出た。
スマホは
割られてしまったので
2号機と3号機の
連絡先はない。
マンションも売って
入れなくなってるので
多分…あいつら2人も
部屋に入れなくて
ただ諦めただけだといいけど…。
まさか…。
元気だと…いいんだけど…。
"" お前の周りを3人殺す ""
デス君の言葉が脳を刺した。
ーーー
お見舞いの後、
俺はサヤカさんに会いに行った。
お別れを、言いたかったんだ。
黒服
「…!」
「えっと、サヤカさ、」
シン
「早くしろ」
黒服
「…は、はい」
サヤカさんが横に座る。
サヤカ
「えぇ…!?」
「あらあら松葉杖…。」
シン
「あのな、」
サヤカ
「聞いてるよ。」
「なんで、あの組に関わったの?」
「バカね、ホントに」
俺にハイボールを作りながら、
呆れた様子のサヤカさん。
シン
「知らなかった。」
「あの組の関係の女って。」
サヤカ
「うわー…。」
「しかも女絡みかい…。」
「救いよう無いねぇ...。」
「アンタってのはホントに...。」
シン
「だから街を出る。」
「色々ありがとう。」
「お別れだ、サヤカさん。」
サヤカ
「はぁ?」
「なによ、それ…。」
「戻ってこないの?」
シン
「いや、実は…」
「アイツは5年で出所する。」
「そこで…俺は街へ戻る。」
俺は酒をイッキ飲みした。
シン
「そして…」
「俺は……俺は…」
「どう……しよう…」
自分でも、分からなかった。
本音は、どうしたいのか。
サヤカ
「ちょっと...!」
「変なこと考えないでよね!?」
「絶対ダメだからね!」
「もう関わらないで!」
「心配なのよ…。」
「ホントに…。」
「そんなこと言うなら…」
「アタシ見張ってるからね…」
サヤカさんは
俺の頭に手を置いた。
優しくて……気持ちいい。
サヤカ
「もし帰ってくるなら...」
「5年後に帰ってくるアンタを、」
「ずっと見張ってる。」
「アンタが…」
「変な気、起こさないように。」
勝手に涙が出た。
出たというか、溢れた。
シン
「なんで…こんなことに」
「"最高の人生"…が」
眉毛も口も
何もかも くしゃくしゃにした。
シン
「神様なんて…」
「いねーよ………。」
……神様の返事は、無かった。
もし…神様がいたら
どうしたの?
悲しいの?
アタシの胸においで、
よしよし…頑張ったね…。
ふふ…可愛いね、わんちゃん。
…と、
言ってくれる……
そんな声が、
頭に、浮かんだ。
そんな事を考えていたら
突然身体が暖かくなった。
サヤカさんだった。
サヤカ
「……。」
サヤカさんは
何も言わずに俺を包み込んだ。
でも、
なんとなく、思った。
サヤカさんは、神様じゃない。
終わっていく、世界。




