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第15話

 対策本部では連絡を受けてその映像を生中継で見ていた。


「この様な事が有り得て良いのか?なんだ、あのアンデッドナイトは?」


「あの一瞬で私、ちょっとチビリそうになりましたよ?どうするんです?アレ・・・」


「あの威力の攻撃スキルを片手でアッサリと流しましたよ?どう見ても只者じゃない。しかも、彼らを無視して行っちゃいましたし。」


「しかも追跡のドローンに気付いたと。それだけでも驚きだが、その後の動きも奇妙な事ばかりだ。」


「皆さんは何を言っているんです?アレを研究すればもしかすると兵器流用できそうではないですか!捕獲に動くべきでしょう!」


「・・・黙りなさいアナタは。また監獄送りにされたいのですか?問題発言として先程の事は本部に連絡します。覚悟なさい。」


「ちょっと!ソレは横暴ですぞ!?」


「・・・それ所では無いみたいですよ?目標の動き、何処に向かっているのか皆さん分かります?」


 その言葉に会議室は空気が冷えついた。次には。


「何だと!?このルートはどうみても!?」

「こちらに向かって来ている?何が目的で!?」

「出入り口に、と言う事は、我々の事を潰しに戻って来るとでも!?」

「こちらの思惑が向こうにバレた?いや、それは無いでしょう。バレていたら先程の冒険者たちは即座にあの世に送られてますよ。」

「目的もその行動原理も分からん!厳戒態勢を敷かせろ!今集まっているフロアの冒険者たち全員にだ!まだダンジョン内には誰も入っておらんな!?」

「いや、フロアの者たちを直ぐにでもダンジョン内に配置してヤツを迎撃する形にした方が良いのでは?」

「協力して貰っている方たちには戦闘を控える様に言っていますので、ソレを覆すならこちらから全員に緊急事態と連絡をしなければいけません。」

「悠長な事を言っている場合では・・・ああ、もしかするとこの連絡で放棄、逃亡をする冒険者も少なくは無いか・・・そう言った者たちへはペナルティを出さない約束も付けろ!直ぐに!」

「ペナルティ無しですか?ソレはイカンでしょう。契約違反をそう易々に認めてしまうのは。そう言った及び腰、逃げ腰になる者を囮にして捕縛作戦を練るのが宜しいでしょう!」

「・・・何を馬鹿を言っている?さっきの警告はお前の頭の中に残っていないのか?お前も見ていただろうし、フロアでの事もしっかりと報告を受けているだろうが。どれだけ冒険者が居た所であんな化物に対処できるのは世界でも片手で指折り数える程にしか居らんのが分からんのか?役立たずな発言を続ければお前の居場所はまたあの監獄だと分からんか?」

「失礼を通り越して無礼ですぞその発言は!取り消して貰いたい!」


「決まったな。そいつを取り押さえて監獄に送れ。もうダメだ、そいつは。何も分かっちゃおらん。二度と出すなと付け加えておけ。」


「何を!?この!離せ!?私を誰だと思っている!」


 一悶着を終えた会議室に静けさが一時訪れる。


 だがすぐにでもソレは終わりを告げて。


「皆動くぞ!各自やる事は分かっているな?なら解散!直ぐに緊急事態警報を鳴らせ!その後は冒険者たちに一斉に連絡を!」


 ===  ===  ===


 私は今、ダンジョンを出て建物内に戻って来た。


(私の行く手を阻もうとして来た冒険者たちがダンジョン内に配置されていた様だが、すまんな)


 私は彼らに一切の危害は加えていない。襲い掛かられても居ない。


 ソレは別に彼らが私を「無害」と判断したからでは無く。


(相当に強めに気を発してしまっていたからな。誰も近づかせない様に、絡まれたら面倒だと判断したからだったが)


 どうやらホブゴブリンの居た部屋で接触した冒険者たちが何らかの方法で連絡を繋げたのだろうと予想する。


 これ程迄に冒険者の数が集まって、さも待ち伏せとでも言える程の準備をして私の前に立ち塞がったのだからそれ以外は考え難かった。


(さて、迷惑を掛けてしまっているのは分かるが、これをどうにかしたらまた戻る心算なのだ。勘弁して欲しい)


 当然の反応、私はアンデッドと言う存在だ今は。


 ならばその私を脅威として見做して冒険者たちが討伐に動く事は分かり切っていた。


(だが、私が危害を誰にも加えない状況が続けば、分かって貰え無いだろうか?)


 楽観視はできない。けれども淡い期待くらいは持ち続けていたい。


(何時、私のこの意識が消失してしまうか分からんからな。警戒は怠らずに遠巻きに放って置いてくれるだけで良いのだ。監視される事も許容範囲内だろう。彼ら冒険者が危ない場面を目撃したら、まあこちらはソレに介入して人助けをする気だけども)


 今は私の意識がハッキリと在っても、だ。


 ソレが何時、どんな切っ掛けで失ってしまうかは分からない。


 なので仲良くはしない方が良いが、放置するくらいの所でどうにか収めて欲しいと言った願望である。


 何もかもが意味不明、そんな状況ならば、従うのは自身の意識一つ。


(何だったか?国一番の学者が「私は思う、ゆえに、私は今ここに在る」だったか?その様な事を言っていたなぁ。今の私にピッタリだな)


 今も私を遠巻きに包囲している冒険者たちを一度見回してから一人苦笑いをして歩き出す。


 この建物の受付らしきカウンターへと。

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