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【完結】勇者殺しの元暗殺者。~無職のおっさんから始まるセカンドライフ~  作者: 岡本剛也
第3章

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第80話 潜伏先


 冒険者ギルドの応接室から場所を移し、大通りにある『パステルサミラ』へと移動してきた。

 もちろんのことギルド長もついてきており、香辛料が臭いだのずっと喚いている。


 よくこんなので冒険者ギルドという大きな組織の長を務められていると思わずにはいられないが、さっきの気配の消し方から察するに相当な実力者であることは間違いない。

 冒険者を束ねるだけあって、ギルド長というものは実力主義なのかもしれないな。


 俺のオススメを適当に注文してから、昨日の話から打って変わって『都影』の話題となった。

 ゴブリンキング騒動で完全に忘れていたが、『都影』の件は何も片付いていない。


「実はゴブリンキングの騒動があったタイミングで、『都影』に動きがあったのだよ」

「昨日のあの騒ぎの中、『都影』は動いていたのか?」

「黒服とフードの女を殺したことで、私達が追っていることを幹部には悟られていたのでね。騒ぎに乗じて潜伏先を変更したと報告を受けたのだ」

「なるほど。みすみす見逃したって訳か」

「……チクリと刺すのは勘弁してほしいね。あれだけの騒ぎとなってしまったら、『都影』に注力している余裕なんてなかったのだよ」


 確かにちょっと意地が悪すぎたか。

 街全体が慌てふためいていたし、あの混乱に乗じて動かれたら補足するのも一苦労。


 流石に責めるのは酷ってもの。

 それでも……やはり逃がしてほしくはなかったがな。


「なら、また一から捜索のし直しなのか?」

「そうだね。幹部は街から逃げ出す可能性もあると私は見ているよ。逃げてくれれば、こっちとしては万々歳なんだけどね」


 マイケルはそう言っているが、俺は絶対に逃げ出さないと踏んでいる。

 逃げるつもりならばもっと早くに動いているだろうし、“何か”があってこの街に残っていると考えるのが普通。

 その“何か”が分かれば捕まえるのも容易なのだが、候補はあるけど確証は持てないのが現状だ。


「トカゲってのはこの間言っていた犯罪者組織か? そういえば俺がぶっ潰すって話だったよな?」

「ええ、そうです。ただ逃げられてしまったので、ギルド長にはもうしばらく待機してもらいます」

「つまらんなぁ! せっかく暴れられると思っていたのに、せめて魔人とやり合いたかった!」


 ちらちらと俺を見ているギルド長。

 ……魔人を倒した俺への抗議なのか、それとも俺と戦いたいってことか?


「なんだその期待するような目は。……ちなみに人目のつかないところなら、いつでも受けてかかるぞ。ギルド長には実力が知られてしまっているしな」

「本当か!? お前ムカつくし、一発ぶっ飛ばしたいと思っていたんだ! 戦えるなら丁度いい!」


 椅子から立ち上がり、子供のように嬉しそうに飛び跳ねるギルド長。

 そのせいで馬鹿みたいに大きい胸が揺れ、本当に目のやり場に困る。


「どちらかが死にそうですし、冒険者ギルドの副ギルド長として、模擬戦は許可できません」

「うるさいぞ! せっかく決まったんだからマイケルは黙っていろ! それに木刀でやれば何も問題ないだろうが!」

「俺も特に構わない。色々とうるさかったし、戦いたいと思っていたからな」

「本当に糞生意気な奴だ! 絶対にボコボコにしてやる」


 明らかな年下に糞生意気と言われたが、戦って力の差を分からせれば少しは大人しくなるはず。

 実力を見せるのは嫌だが、それ以上にギルド長を叩きのめしたいという気持ちが上回ってしまっている。


 俺とギルド長とでバチバチに睨み合っている中、店員が気まずそうにしながら料理を運んできてくれた。

 一瞬、空気を察して扉を閉めようとしてくれたが、マイケルが中に招き入れたことで料理が部屋の中に運び込まれる。


「うわっ! んだっ、この匂い!」

「二人の戦闘なんかどうでもよくなるぐらいの良い匂いだ。早く食べたいですよ」


 二人が各々感想を漏らし、俺は無言でフォークとナイフを持って構えている。

 俺も冒険者ギルドに着いた辺りからずっと食べたくて仕方がなかったし、もう我慢の限界が近い。


 店員が俺達の前に料理を置き、軽く頭を下げて部屋を出た瞬間に――俺はフォレストオックスのすじ煮込みに食らいついた。

 何度食べても至福の料理に感激しつつ、さっきまでの騒々しさは消え去って三人共無言で料理を食べ進めた。



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