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【完結】勇者殺しの元暗殺者。~無職のおっさんから始まるセカンドライフ~  作者: 岡本剛也
第7章

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番外編『ジェイドの道具屋繁盛記』 その66


 今日は一週間ぶりの営業日。

 先週は休んでしまったこともあり、客が離れてしまうんじゃないかと不安だったが……。


 俺の不安に反して、整理券の受け取りには大行列ができていた。

 目玉であるエルダーワイバーンの素材はもちろん、エンペラが仲間になったことで安い素材も大量に調達できたことで、幅広い客層の方々が集まってくれている。


 そして、そんな大行列の先頭には、スタナを助けてくれたお礼として短剣をあげた冒険者の少年がいた。

 冒険者のランクを表すプレートは銀であり、この短期間でシルバーランクに昇格したことが分かる。


「今日も並んでくれているのか?」

「はい! ここの商品は質が高いですからね! 時間があるときは必ず利用させてもらいます!」

「そうか。いつも利用してくれてありがとう」

「こちらこそありがとうございます!」


 いつもの少年に一番の整理券を渡し、その後他のお客さんにも整理券を渡していく。

 整理券を配り終えた後は、急いで開店の準備を行い、開店時間とともに順々に迎え入れていった。


 エンペラのおかげで大量に調達できていたこともあり、一週間ぶりの営業日ということもあって、初日、二日目ともに完売。

 高い値段設定にしたエルダーワイバーンも、問題なく売り切ることができたし、先週の休みを取り戻す売り上げを叩き出すことができた。


「ふぅー……。無事に乗り切りましたね。ジェイドさん、スタナさん、お疲れ様でした!」

「エレーネもお疲れ様。今回もしっかりとボーナスを出すから期待していてくれ」

「えっ! いいんですか!? ジェイドさん、ありがとうございます!」

「エレーネさんはご飯食べていく? せっかくだから、私が料理を作ろうと思っているんだけどどうかな?」

「ん? これからスタナが料理を作るのか?」

「はい! 美味しそうなエルダーワイバーンのお肉がありますからね!」


 確かに、スタナと楽しむために、エルダーワイバーンの肉を取っておいてはいたが……。

 この重労働の後に、ご飯を作らせるのは申し訳なさすぎる。


「流石のスタナも疲労があるだろ。料理は今度にして、外食にしないか?」

「えー! もったいないですよ! 腐らないようにはしてありますが、鮮度は落ちちゃいますからね!」

「それなら私も手伝いますよ! 疲れてはいますが、エルダーワイバーンのお肉が食べられるなら頑張れます!」

「おっ、エレーネさんは分かってるねぇ!」

「……なら、三人でご飯を作るか。足らない食材があれば俺が買ってくる」

「ジェイドさん、お願いします!」


 こうして疲れた体ながらも、みんなで料理をすることにした。

 とはいえ、鉄板焼を用意して、みんなで焼いて食べるスタイルにしたため、そこまで大変ではない。


「よし! 準備万端! どんどん焼いて食べていこう!」

「うはー! 美味しそう!」

「良い香りだ。ふふふ、お腹が空いてきた」

「……なんでエンペラもいるんだ。お前は何もやってないだろ」


 焼肉の準備が終わったタイミングで、どこからともなく姿を現したエンペラ。

 今日は一日中いなかったのに、食事のタイミングでだけ姿を現すとはな。


「帰ってきたタイミングで、ちょうど焼肉が始まったんだ。運んだのは私なんだから、私だって参加する権利はあるだろ」

「そうですよ! ジェイドさん、意地悪を言わずにエンペラちゃんも入れてあげましょう!」

「ふふ、スタナはやはり優しいな」


 エンペラはスタナの横に行くと、頭をスリスリと寄せてごまをすっている。

 そんな態度も含めて可愛くはないが、スタナの意見には逆らうことはできない。


「それより、もうお肉が焼けましたよ! ……ジェイドさん食べます?」

「いや、エレーネから食べていいぞ」

「いいんですか! そ、それじゃ……いただきます!」


 肉に釘付けのエレーネは、自分で焼いた肉にタレをつけてから、恐る恐る口の中へと入れた。

 最初は驚愕といった表情を浮かべていたのだが、次第に幸せそうな顔へと変わっていった。


「はぁー……。美味しすぎますぅ! こんなに美味しい食べ物を食べたのは初めてですよ! みなさん、本当にありがとうございます!」

「喜んでくれたなら良かった。スタナも食べてくれ」

「いやいや、ジェイドさんが先に食べてください!」

「ん? 食べないなら私が――」

「エンペラよりは俺が先に食う」


 俺とスタナが譲り合っていた中、エンペラが横取りしようとしたため、俺が肉を取って食べた。

 ――美味いな。


 山で食べた内臓も美味かったが、ちゃんとした肉の方が旨味が強い。

 これはすぐに売れたのも納得の味。


「とんでもなく美味い。スタナも食べてくれ」

「それじゃ頂きます! ――はぁー、美味しい! 幸せです!」

「私も食べさせろ!」


 スタナの幸せな顔を見て、俺も幸せな気持ちになりつつ、エンペラが食べ過ぎないようにしっかりとガードもする。

 みんなでの食事会は騒がしいものの、やはり楽しいし……格別に美味しく感じるな。



本作のコミック第4巻が発売しております!!!

コミカライズ版は内容もかなり違いますし、単純に漫画として完成度の高い作品となっています!

キクチ先生の画力が素晴らしく、小説版を読んだ方でも確実に面白いと自信を持って言える出来となっておりますので、どうか手に取って頂けると嬉しいです<(_ _)>ペコ

コミカライズ版も、何卒よろしくお願い致します<(_ _)>ペコ

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