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【完結】勇者殺しの元暗殺者。~無職のおっさんから始まるセカンドライフ~  作者: 岡本剛也
第6章

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第242話 酔っ払い


 任務についてを話している内に、あっという間に三時間くらいが経ってしまった。

 常に酒を呑んでいたということもあり、アルフィはベロベロで呂律が回っておらず、セルジはカウンターに突っ伏して眠ってしまった。

 話がすぐに脱線したし、もう少し作戦について説明したかったところだが、今の状態の二人に何を言っても明日には覚えていないだろうし、今日はこんなところで解散だろう。


「あれりぇ? セルジさんは寝ちゃったんですかにぇ? ふっひゃっひゃ、酔っぱらって寝ちゃうなんひぇ、本当にだらしないですねぇ」


 寝ているセルジの後頭部をぺちぺちと叩きながら、楽しそうに笑っているアルフィ。

 普段じゃ絶対にできないことだろうからか、本当に楽しそうにしているな。


「いや、アルフィもベロベロに酔っぱらってるだろ。これ以上は酒も呑めないだろうし、そろそろ解散にしよう。家まで送ろうか?」

「えー! もう帰るんりぇすか? まだまだ吞みましょうよぉ! 僕はぜーんぜん酔っ払ってないれすから!」

「めちゃくちゃ酔っ払ってるだろ。昨日の夜に何を食べたか言えるか?」

「昨日れすか? そんなの簡単……あ、あれりぇ? 僕は何を食べたんでひたっけ? ぷっはっひゃ! 何にも思い出せまひぇん!!」


 何がそんなに楽しいのか、爆笑しながら昨日何食べたかを必死に思い出しているアルフィ。

 質問をする前から分かっていたがアルフィも泥酔状態。

 二人を送り届けるのは少し面倒くさいが、店に迷惑をかける訳にはいかない。


「もういいから早く帰ろう。二人はどこで寝泊まりしているんだ?」

「僕たちは兵舎で寝泊まりしてまひゅ! ジェイドさんが送ってくれりゅんでしゅか?」

「ああ。場所は分からないから道案内してくれ」

「了解しまひた! 案内は僕に任せてくだひゃい!」


 半分白目の状態で敬礼をしたアルフィに肩を貸し、完全に寝ているセルジを背負った。

 マスターに代金を支払ってから軽く会釈をし、俺は酔っぱらった二人を連れて『クレイス』を後にしたのだった。



 翌日。

 昨日は色々と大変だったが、二人が寝泊まりしている兵舎が近かったこともあり、そこまで時間がかからずに送り届けることはできた。


 アルフィの声があまりにも大きかったせいで、どうやら兵士長に飲みに行ったことが見つかったようだが、どうせいつものことだろうから大丈夫だろう。

 それよりも俺は、早速二人に頼まれた裏切者探しを行うとしよう。


 まずはアルフィとセルジがいるであろう詰所に向かい、怪しいと思っている兵士についてを尋ねる。

 その兵士の情報を元に、コンタクトを取っていくつもり。


 すぐに準備を済ませ、俺は宿屋からも近い詰所に向かった。

 まだ朝早い時間帯であり、ベロベロだった二人がいるかどうか不安な部分もあるが、昨日の話によれば朝から詰所に行かないといけないと言っていたからな。


 送り届けた後に兵士長らしき人物の怒声を聞いているから、多分いるはずだ。

 いなかったら毒煙玉の制作を行おうと決めつつ、詰所の前に辿り着くと……二人の兵士が机に突っ伏しており、遠目からでもその兵士がアルフィとセルジだと分かった。


 酒は抜けていないようだが、兵士長に無理やり叩き起こされたのだろう。

 兵士としては失格な二人だが、俺からしてみれば非常にありがたい。


「二人とも大丈夫か?」

「……ん? うぅん……ジェイドさんですか? 全然大丈夫じゃないですよ。目が回っていて頭も痛いです」

「俺もあんまり話したくない。頭が痛すぎてしんどい」

「昨日は泥酔していたからな。ちゃんと生きていることを確認できたのは良かった」

「ジェイドさんのお陰です。送ってくださりありがとうございました」

「まぁその件は助かったぜ。昨日は久しぶりに呑み過ぎてしまった」


 二人から感謝の言葉を貰ったが、未だに机に突っ伏したままのため、今日は一度も顔を見ることができていない。

 面白そうな表情をしていそうだし、グロッキー状態の二人の顔を見たいが……この様子じゃ顔を上げてくれることはなさそうだな。


「近かったし気にしないでいい。それよりも昨日頼んだことは覚えているか? 怪しいと思っている人物をリストアップしてくれと頼んだんだんだが」

「その話をしたときは酔ってなかったから覚えているが、その件でもう尋ねてきたのか?」

「この街に長期滞在する気はないし、取り掛かるなら早い内の方がいいと思ってな」

「それもそうか。街にずっといるつもりで依頼したが、行商人なら街を離れるのが普通だもんな。昨日の今日で、酔っぱらってたし紙には残していない。ただ、怪しい人物なら挙げてある」

「僕が覚えてますよ。頭を使うと気持ち悪くなるので、ゆっくりですがひとまず口頭でお伝えしますね。必要でしたらどこかに書いておいてください」

「大丈夫だ。話してくれ」


 それからゆっくりながらも、二人が怪しいと思っている兵士の名前と詰所の場所をアルフィが教えてくれた。

 その怪しい兵士の数は三人と少なかったし、早速アプロ―チをかけてみるとしよう。


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