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【完結】勇者殺しの元暗殺者。~無職のおっさんから始まるセカンドライフ~  作者: 岡本剛也
第6章

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第234話 自己紹介


 扉を開けると、そこはかなり狭いバーだった。

 カウンターしかなく、席自体が六席ほどしかない。


「あっ、来ましたね! 座ってください!」


 狭いこともあって店に入った俺にすぐに気づいたアルフィに誘われたがまま、俺はセルジの隣の席に着いた。

 二人はウイスキーのようなものを頼んでおり、流れ的に俺も何かしらの酒を頼まないといけないだろう。


「何か飲みます? お酒以外にもありますよ!」

「俺も二人と同じやつをお願いしたい」

「ウイスキーのロックですね。かしこまりました」


 バーのマスターはそう言うと、俺の酒を作り始めてくれた。

 本音を言えば酔わない体質だし酒はいらないのだが、酒を飲むという行為をすることで警戒心を少し解くことができる。


 これは『シャ・ノワール』で働き、レスリーと接したことで気づいたこと。

 実際に『ネバーランド』の店主のスミーとは、一緒に酒を飲んだことで仲良くなることができたしな。


「マスターの動きを見ておいてください! めちゃくちゃ気持ちがいいんですよ!」

「気持ちがいい? 動きが気持ちがいいってどういうことだ?」


 アルフィの言っている意味が理解できなかったが、言われた通りにマスターの動きを見ているとその言葉の意味がすぐに理解できた。

 マスターは四角い氷を取り出すと、アイスピックで素早く削っていく。

 

 そしてお洒落なグラスに丸くカットされた氷が入れられ、金色に輝いているようなウイスキーが注がれた。

 一連の流れが洗練され過ぎており、俺の下に運ばれてくるまで思わず注視してしまった。


「お待たせいたしました。ウイスキーになります」

「ね? 凄かったでしょ! 僕はロックだと濃くて本当は嫌なんですけど、この動きが見たくていつもロックで頼んじゃうんですよね!」

「アルフィ、関係ない話に花を咲かせるな。この人に情報を教えるために呼んだんだろ?」


 目をキラキラとさせて熱く語っていたアルフィだったが、セルジに注意されたことで本来の目的を思い出した様子。

 このやり取りを聞く限りセルジはしっかりしているし、俺に道具屋を紹介してくれたのがアルフィで本当に良かった。


「そうでした! 『バリオアンスロ』について教える前に……まずは互いに自己紹介くらいしましょう! 僕はアルフィと言います! 兵士になってまだ四年ですが、兵士になる前は冒険者をやってました!」

「俺はセルジ。兵士歴は七年で一応アルフィの先輩になるが、階級は全くの一緒。俺もアルフィと同じく兵士になる前は冒険者をやっていた」


 二人とも冒険者から兵士に転職したって感じなのか。

 アルフィはまだ十代後半って感じの見た目だが、経歴を聞いた限りでは二十代なのかもしれない。

 セルジも二十代後半って感じで、見た目的に三十代ではないと思う。


「へー、兵士になる前は冒険者だったのか。この街で冒険者をやっていたのか?」

「違います! 僕もセルジさんも帝都で冒険者をやっていたんですよ!」

「俺達に限らず、ここの兵士の大半は帝都で鳴かず飛ばずだったから逃げるようにこの街にやってきて、冒険者としての仕事が少ないから兵士になった出来損ないの集まりだ」

「でもでも、セルジさんは若くしてゴールドランクの将来有望な冒険者だったんですよ!」

「所詮ゴールドランクだ。それより、そっちも自己紹介してくれ。まだ名前も知らないからな」


 ヴェラでもシルバーランクと言っていたし、今から七年前でゴールドランクってことは、セルジは本当に将来有望な冒険者だったのだろう。

 そうなってくると何故辞めたのかが非常に気になってくるが、俺が知りたい『バリオアンスロ』とも関係ないし、今はまず俺の自己紹介をするのが先。


「俺の名前はジェイドという。さっきも言ったと思うが行商人をやっている」

「ジェイドさんって言うんですね! ジェイドさんは行商人をやる前は何をやっていたんですか?」

「普通に王国の道具屋で働いていただけで、二人のように面白い過去はない」

「本当に道具屋だけなのか? 妙に良い筋肉をしているし、戦闘職に就いていたと俺は感じたんだがな」

「行商人をやっていると魔物に襲われることが多々あるからな。俺は護衛をつけずに自分で戦っているから、そこら辺の兵士や冒険者には負けないぐらいの実力はあるはずだ」


 アルフィもセルジも納得したように頷いているし、上手い感じで話を誤魔化せたと思う。


「確かにジェイドさん強そうですもんね! 歩いている時の姿勢が本当に良いですもん!」

「強い人が放つオーラを感じるよな。『バリオアンスロ』について調べているから、何か裏があるのかと思ったが……話の整合性は取れているし、商人なのに強そうなのも納得だ」

「今の話で納得してくれたのらな良かった。そろそろその『バリオアンスロ』について聞いてもいいか?」


 いよいよ本題に入ることができそうだ。

 ここまでは何てことのない雑談だからな。


 俺が本当に知りたいのはこの先の話。

 『バリオアンスロ』がどんな組織なのか、そして――クロもしくは『モノトーン』と繋がりがありそうかどうか、情報を聞いて判別をつけるとしよう。



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