花降る空に不滅の歌を
●「ロック」と「ポップ」が絶妙に混じり合った。聴きごたえ抜群のアルバム。
【収録曲】
1.月夜の道を俺が行く
2.バードヘッドブルース
3.くたばれマイダーリン
4.如何様師のバラード
5.本気で生きているのなら
6.カメラソング
7.花降る空に不滅の歌を
8.GOOD LUCK MY FRIEND
9.Party Monster Bop
10.花火を見に行こう
前作から約1年振りとなるa flood of circleのアルバム。前作はポップな面が随分強調されていて少々物足りないところがあったのですが、今作はインパクトのある荒々しい演奏を聴かせる曲が戻ってきたように思えます。特に、『如何様師のバラード』や『Party Monster Bop』においては、「パッパラパーララララ お金ください」「打席に立たないホームランとかよ ある訳ねえだろそんなもん」等といった勢い余ってどこか笑ってしまいそうなフレーズが多く、そういったある種のユーモアも彼ららしさに繋がっているように感じられました。
また、メロディアスな曲に関しても聴きごたえのあるものが増えた印象があります。『本気で生きているのなら』は字余り気味に綴られる飾り気の無い歌詞が耳に残りますし、『花降る空に不滅の歌を』は明るくも絶妙に切なさをはらんだメロディラインが秀逸。『花火を見に行こう』はやや「ベタ」な感じが否めないのですが、爽やかで開けた雰囲気が今作を締めくくる曲としてふさわしいものになっているのではないでしょうか。
『2020』のレビューの際にも似たようなことを書きましたが、まさに「ロック」な面と「ポップ」な面が上手い具合に混じり合っているように感じられたアルバムでした。個人的には、もっと注目されてもいいバンドだと思うんですが。
評価:★★★★★