2020
レビュー執筆日:2021/12/6
●ロックバンドとしての尖った面を出しながらも、結構ポップな面も。
【収録曲】
1.2020 Blues
2.Beast Mode
3.ファルコン
4.Super Star
5.天使の歌が聴こえる
6.Free Fall & Free For All
7.人工衛星のブルース
8.Rollers Anthem
9.ヴァイタル・サインズ
10.Whisky Pool
11.欲望ソング (WANNA WANNA)
12.火の鳥
このバンドのボーカル・佐々木亮介は、THE KEBABS(UNISON SQUARE GARDENのソングライター・田淵智也も参加)のメンバーとしても活動しており、私はKEBABSのアルバムの方を先に聴いたので、「KEBABSのボーカルが以前から所属しているこのバンドはどんな音楽をやっているんだろう?」と思い今作を聴いてみたのですが、個人的にはかなり好みの作風でした。
まず印象的なのは、『Beast Mode』や『ヴァイタル・サインズ』、『欲望ソング』において繰り広げられる激しいロックナンバーでしょう。「WE’RE GONNA DIE DIE DIE DIE DIE」や「嫌嫌嫌嫌嫌」等といった特徴的なフレーズで有無を言わさず突き進んでいくさまはインパクト抜群で、耳にするだけで否応なく盛り上がれます。
また、そういう曲のみならず、『Free Fall & Free For All』や『Whisky Pool』のようにアップテンポでありながらメロディアスな楽曲も多く収録されているのもなかなか面白く感じられます。また、J-POP的な要素の強い『天使の歌が聴こえる』やスローなナンバーの『人工衛星のブルース』のような曲もあり、こうやって色々と曲を挙げてみると、結構ポップな面もあることに気付かされます。
もちろん、アルバム全体で見てもしゃがれ気味のボーカルや粗いサウンドからは「ロック」な面も強く感じられ、そう考えると、彼らは「ロックバンド」としての尖った面と分かりやすく耳に残るメロディを聴かせるポップな面を合わせ持ったバンドと言えるでしょう。そういう点からすると、サウンドやボーカルの雰囲気は大きく異なるものの、UNISONに似ていると言えるのかもしれません(このようにどこか似ている点があるからこそ、KEBABSというバンドが結成されたのかもしれませんが)。
私のようにKEBABSから(もっと言えばUNISONから)彼らに興味を持った方も少なくないでしょうが、そういう方に是非お薦めできる一作になっていると思います。まあ、以前から彼らの作品を聴いている方からすれば「今更何を言っているんだ」という感じなのかもしれませんが。
評価:★★★★★