妖刀 光里編1
私は力がない
だから忍術をひたすら強化した。
初めて忍術を使えたのは物体を召喚するものだった。
強いトラを召喚するつもりが、
なぜだろう・・・
変な猫ができてしまった。
そして消そうにも消すことができない。
仕方なくミーアと名付けたその猫を連れて初めての仕事に出かけた。
京都の某所にて人が食べられるという事件を聞いた。
忍びの情報によれば、低級の妖怪の仕業ということで、私の練習相手にちょうど良いとの判断であった。
確かに相手は手の平サイズの丸い口だけの妖怪であった。
さっさと片づけて帰ろう・・・
ミーア食べてしまいなさい
・・・
・・・
何故 震えて動かないんだ
自分で召喚したものではあるが、なんとも情けない・・・
しょうがないこれくらいは私の手で片づけるか。
あれ・・・
いない・・・
あたりを見回してみるが、一向に姿が見えない
なんて私はドジなんだろう・・・
その瞬間方に激痛が走った。
しまった肩を少し食われてしまった。
肩を食われた分妖怪は大きくなっていた。
こんな低級な妖怪にやられてしまうかもしれない。
グルルルル・・・・
後ろから唸り声が聞こえる・・・
まさかもう一体いるのか・・・
その瞬間何かが横を通りすぎていった・・・
視線をその方向に向けると先ほどの妖怪が食われている。
何が起こったのだ・・・
暗闇の中、目を凝らすと、化け猫が先ほどの妖怪を食っているではないか・・・
まずい、こんなのに襲われたら私の命もない・・・