表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パーソナルウェポンマスター  作者: 瀬名澄子
私だけの武器
6/6

身体測定

入学二日目。今日は身体測定ということで、全員ホログラム登校ではなく生身での登校だ。

 正直、元引きこもりの私にはツラい日だ。

 もちろん身体測定も、ここ10年で大きく変わった。元々、自身の健康状態を把握などが目的だったが、今はAIが健康管理をしてくれている。

 今はどちらかというと、ホログラムアバター、略してホロアバの更新という意味合いが強くなっている。学校の登校時に使うホログラムやVRスポーツのアバター。個人的な話だがPWMのアバターも、このホロアバを使う。ホロアバは最早は身体の一部のようなものだ。

 計測は速いもので、専用のスキャニングボックスに5分も入っていると、全ての測定が終わる。そこからAIがホロアバを作るまで、10分といったところか。

 一、二限を使ってクラス全員のスキャンが終わり、三限ではクラス写真を撮るらしい。

「ねえ奈苗!身体測定どう

だった?」

 撮影場所に向かう途中、エリサちゃんが話しかけてくれた。

「…どう…って言われても、普通だったよ」

「…ホント普通だよね、奈苗って。胸が控えめなぐらい?」

「一言余計だよ…」

 中学の時から1センチも伸びなかった背と胸囲が、私の一縷の望みを絶つような絶望を与える。

 私と違い、エリサちゃんは文字通りアメリカンなボディラインだ。特にくびれがすごい。エリサちゃん曰く、「努力の賜物だよ〜」と言っているが、私との遺伝子レベルの違いを感じざるを得ない。

「ホロアバの更新も1年ぶりだね…ほとんど変わってないけど…」

「私は1.5cm伸びてたよ〜」

「…羨ましい…」

 そうこうしていると、集合写真の撮影場所に着いた。校門近くの桜の木の下という、何とも情緒ある写真が取れそうな場所だ。

 写真を撮る間、桜の香りが春を鮮明に焼き付けている気がした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ