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デートの前日はちゃんとバックの中身を確認してから出かけようと思う。後編

第9話 デートの前日はちゃんとバックの中身を確認してから出かけようと思う。後編



「それで、お兄ちゃんはどうするんですか?」


場所は変わらず、俺らはまだ体育館の外にいた。


「どうするも何も。どうしようもないだろ。」

「どうゆうことですか?」


もみじはまだ足りていない胸を大きく張ってそう話す。


「いや、何も出来ないだろ。」

「うん?」

「まて。俺、高橋から京香には彼氏がいないって聞いただけだぞ。」

「はい。」

「だったら、はい、そうですか。彼氏いないんですか。で、終わりだろ。」

「は?」

「京香だってうざいだろ。「なんだよ、お前彼氏いないのかよお。」とかいって、いちいち、同学年の男に絡まれたら。」

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください。」


もみじは大きく息を吸って、俺ともみじが話している側を駆け抜けた男子生徒に笑顔で会釈をする。すると、会釈された男子生徒は何かがおかしくなったように全力で叫びながらどこかへ行った。だから、会話を遮られた俺は二重の意味で焦って言った。


「お前、まさか?」

「なんですか?」

「彼氏?いや、ダメだよ。そんなの。彼氏とか認めないからね。俺よりかっこよくて、勉強も出来て、油田持ってないとダメだからね。」

「クラスメイトですよ。って言うか、そんな人どこにいるんですか?」


もみじは笑ってそう答える。そして次の瞬間、その表情を驚くほど一瞬で変えて言い放った。


「それに、私、ブスに興味ないので。」

「うわ。ひでえ。」

「なんで、私はこんなに可愛いのにブスと付き合わなきゃダメなんですか?」

「おっしゃる通りです。」

「それに、さっきの話は終わっていませんよ。」


もみじはほっぺたを大きく膨らませる。可愛いけど、今の発言を聞いた後だと、我が妹ながら全く可愛く思えない。


「まず、お兄ちゃんは、京香ちゃんにどんな風に思われてると思っているんですか?」

「俺が?」

「そうです。」


汗が引いたので、右に流していた髪の毛をもう一度真ん中に持ってくる。


「嫌いでは無いと思うけど。でも、まあ京香が男と話してるのを見たこと無いし。あ、高橋はあるけど。仲良い男友達くらいじゃないか?」


もみじは、はあ〜とため息をつく。


「やっぱり、お兄ちゃんはポンコツです。良いのは顔と脚の速さだけ。」

「勉強も出来る。」

「学年30番程度で調子に乗らないで下さい。」


いい加減部活に戻る時間が来たのか、もみじは自分の靴紐を結び直す。


「私から、京香ちゃんに言っておきますから。お兄ちゃんは余計な事をしないで下さいね。」

「ということは。」

「私が京香ちゃんの機嫌を直して、お兄ちゃんとのデートの約束も取り付けておきますから。」

「いや、別に俺は天王寺さんを観に行きたいだけなんだけど。」


もみじは人を殺しそうな顔をしながら、こちらを向く。


「それ、京香ちゃんの前で言ったら、ぶっ殺しますからね?」

「じょ、冗談です。」


コクコクと頷く俺を見ながら、もみじは部活に戻っていった。



そうして、それを見た俺も同じように部活に戻った。




「いや、遅くない?」


当たり前だけど、俺がそうして戻るとそんな言葉がそこらへんにビブスを着たまま座っていた部員から投げかけられた。部内の紅白戦は4時からやるみたいで、あと10分ちょい時間がある。今はそれの待機時間っぽい。


「いや、まあ。ちょっと告白されててさ。」

「まじで?」


冗談のつもりで言ったセリフは予想外の食いつきを見せた。


「誰に、誰に?」


女子高生はもちろんそうだが、男子高校生にも恋愛の話は鉄板だ。だけど、ワイワイ盛り上がっていた所に高橋が来て、少し盛り上がりは収まった。そうして、高橋は俺を少し集団から遠ざけてヒソヒソと話す。


「いや、ハジメ。お前何やってんだよ!」

「なんで?」

「周り、見ろよ。」


高橋と一緒に辺りを見渡す。広い体育館には、騒いでいた部員達と女子バトミントン部とモップをかけてくれているバスケ部の女子マネ以外はいない。


だけど、唐突に閃光が走った。高橋がわざわざそんな声をかけてきたということは、何かの意味があるということだ。でも、俺はもうそれを知っている。


「ふ、ふとももか?」


バトミントン部は普段からの走り込みのお陰か凄まじいモノを持っている女の子が多い。


「いや、ふくらはぎの方が・・・じゃなくて、お前京香さんいるぞ。」

「そりゃいるだろ。」


京香は一年前くらいに女優の仕事を休んで、学業に集中することにしたらしい。その時からバスケ部のマネージャーをしている。


「いや、京香さんの前で告白されたとか言いやがって。死ぬぞ?」

「何いってんだ?京香はそんなこと、気にしねえよ。」


当たり前だろう。別に俺は京香と付き合ってるんじゃないんだし。京香も別に俺のこと嫌いじゃないくらいで、好きではないだろう。まあ、何より京香は優しいし。


「それになんであいつ怒ってんだ?」


だけど、高橋はその返事をする前に俺から離れた。


「ごめん。ハジメ。モップをかけるからどいてくれる?」


茶髪の美少女は俺の目の前に立って言う。白色のTシャツにショートパンツ。幼馴染の持ち前の胸と相まって、控えめに言ってエロい。


「あー。ごめん。ごめん。」


すぐにどいて、少し離れた場所にいる高橋に京香が怒ってないだろと同意を求める。だけど、高橋が返事をする前に足元に激痛がはしった。


「ごめん。ぶつかっちゃった。」

「いたあ!!」


明らかにモップでぶつかった程度ではでない勢いで、モップは当たったみたいだ。


「でも、ゴミを拭き取るのがモップだから仕方ないよね?」

「だったらなんで、俺にぶつけんだよ。ゴミを取れよ。」


俺は体育館の床のうずくまって話す。モップを既にかけた所じゃなくて、モップをかけ終わっていない所でうずくまっている事とかは、スポーツマンの鏡だと思う。


でも、幼馴染は感情のない顔で優しい言葉を繰り返した。


「え?でも、幼馴染を放っておいて、告白されたとか言っている人は社会のゴミじゃないの?」


前言を撤回しようと思った。高橋の言う通り幼馴染はキレていた。そうして、俺はもみじを信じてそれ以降の幼馴染の機嫌をとることを諦めた。


「すみません。」

「ごめんですんだら警察は要らないと思うな。私。」

「すみません。」


幼馴染はスタスタと去っていって、俺は紅白戦が始まるまでの時間をモップがけに費やしていた。


一応参考にして頂けたらと思います。


10話 主人公

11話 主人公

12話 京香

13話 天王寺

14話 京香

15話 主人公

16話 京香

17話 天王寺

18話 主人公

19話 京香

(20話 主人公)


一応、現時点では、このような人物で話を書くつもりです。また、指摘があったように話がダレてしまっても仕方がないので、19話か20話で一旦区切ります。それ以降を書くかどうかはその時点での人気で決めようかと思っています。本気で19話か20話の終わりに向けて書こうと思っている為、申し訳ありませんが、毎日投稿は厳しいかもしれません。


もちろん、不満や不平は全て受け入れるので、そのようなものがありましたら感想欄にでも下さい。


過酷溢れる現実恋愛のランキングではありますが、皆様の応援のお陰か未だ4位には残っております。ありがとうございます。でも今後も残り続ける為に、まだ評価やブックマークをされていない方がおりましたらどうかお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 文の量がいい。 [気になる点] 主人公はもう少しだけ勘が良くてもいい気がする。 [一言] 理不尽だ幼馴染みよ! たかが告白されたってだけで暴力はだめ! 主人公!仕返しだ仕返し!理不尽な暴力…
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