デートの前日はちゃんとバックの中身を確認してから出かけようと思う。前編
第8話 デートの前日はちゃんとバッグの中身を確認してから出かけようと思う。前編
結局、俺は天王寺さんと別れた後は俺も天王寺さんも部活に戻っていた。だけど、少し外に出ていた時間が長かったみたいで、俺は京香に問い詰められていた。
「何してたの?」
「いや、別に何も。」
「私に言えないようなこと?」
「そういうのじゃないけど。」
幼馴染はもう一度じろっとこちらを見る。
「そういうのじゃないのに、私には言えないんだ。ふーん。わかった。」
「あのー、怒ってます?」
「別に、怒ってないけど。ただ、ハジメは幼馴染に言えないような事をしてるんだと思っただけ。」
「怒ってるじゃん。」
京香は俺に3番のビブスを渡す。
「すぐに、5対5やるから。」
「あ、はい。」
京香はこちらを一度も振り向かずにスタスタと去っていく。
「お兄ちゃんが悪いです。」
いつも家にいる時みたいに、もみじはひょこっと体育館に頭を出した。
「京香ちゃん怒ってますよ。」
「まあ、聞いてくれよ。」
俺はもみじにそう言った。
それはついさっきのことで、俺は高橋から告げられたのだ。
「お前、なんで京香さんのこと避けてるんだ?」
明らかに顔になんか引っ掻かれたみたいな傷があったのが気になったが、それより高橋の必死な態度に押された。
「いや、だって。お前にも悪いし。」
「何がだよ。」
「そ、その、付き合ってんだろ?お前と京香?」
「は?」
高橋は一旦俺から距離をとって、手を額に当てた。
「冗談だろ?」
「付き合ってないのか?」
「誰があんな人と付き合うんだよ?」
高橋はありえない顔でそう繰り返す。
「でも、京香可愛いくないか?」
「可愛いよ。可愛いけど。可愛いけど、愛が凄くて怖い。間違いなくやばい。」
「どういうことだよ?」
「まあ、お前は知らなくていいよ。」
「なんでだよ?」
そいつは説明に困ってるように見える。
「とにかく、俺と京香さんは何にもないよ。いや、これしか言えねーんだよ。なんか、俺が説明するのはなんだか違う気がするし、あー。まあ、とにかく京香さんはお前のことは悪く思ってないってことだよ。」
「それじゃ、わかんねえよ。」
「そりゃ、そうだろうけど。納得してくれよ。俺だってなんでこんなことしてんのかもわかんねえんだよ!」
「なんで彼女もいないのに同級生の恋愛の応援してるんだ?まあ、いい。とにかく、お前は明日、京香さんを連れてどっかに行け。これは命令だ。」
彼はそう言って口を閉じた。
「っていうことがあったんだよ。」
「いや、終わりですか?」
「終わりですけど。」
「もっとあるでしょ?他にないんですか?」
「無いですけど。」
「いや、だって、京香ちゃんと高橋さんが何してたかとかは?」
「聞いてない。」
「全然だめじゃ無いですかあ!」
もみじはそう言った。
日間ジャンル別のランキングに乗せて貰っているのにも関わらず申し訳ないのですが、明日は投稿できません。ブックマークや評価の勢いが薄くなっているのにも関わらず、すみません。
これからも作品もよろしくお願いします。