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可愛くて少し嫉妬深い幼馴染は最高です。


第6話  可愛くて少し嫉妬深い幼馴染は最高です。



「なあ、なんか近くない?」

「私は普通だけど。ハジメは嫌なの?」

「いや、別にお前が良いなら良いんだけど。」


俺たちは電車に乗っていた。当たり前だけど毎朝の通勤列車は死ぬほど混む。特に都心に向かう電車なんて座る席が無いなんていうレベルじゃないくらい人が多い。だから、人と人との体が当たるのは仕方がないといえば仕方はない。だけど、これは違うと思う。


「あの・・・すごく当たっているんですけど。」


俺は幼馴染の大きな胸を背中に感じながら、耳にそっと口を近づけながら伝えた。だけど、意外にも幼馴染は恥ずかしそうな顔をしていた。


「し、仕方ないじゃん。だってこんなに混むと思ってなかったし。」

「わざとやってるんじゃないの?」

「そんなわけ無いじゃん!そ、そんなの変態だよ。」


だけど、美少女が照れてるようにしか見えない状況でも俺は怒りしか感じなかった。


「お前は努力が足りないよ!全国の必死に主人公を落とそうとしているヒロインさん達に謝れ!」

「ハジメが何を怒ってるかも言っている意味もわかんない。」


電車は混んでいる車内を全く気にしないで、ゆるゆると進んでいく。だからこそ意外な人を見つけることもあるということだ。


「あ、天王寺さんだ。電車通学なんだ。」


俺は少し離れた所にいる明らかに冷気みたいなものを放ちながらケータイをいじっている黒髪の女の子を見た。


「私がここにいるんだけど!」

「まあ、そりゃいるな。」


幼馴染が自分の存在を主張するが、なんでそんなことをしたのかがわからない。


「この、バカ!なんで私がいるのに他の女の話を・・・」

「ちょ、痛いって。」


すると、俺らの存在に気づいたのか天王寺さんはちらっとこっちを見て、またすぐにケータイに目線を落とした。


「天王寺さん、車通学じゃないんだ。」

「車、壊れたんじゃないの?」


不機嫌そうな感じを隠しもせずに、幼馴染も鞄からケータイを取り出す。


「そうなのかな。ってか、お前は?」


確か、京香は仕事をやっている関係、車で来ることが多かった気がする。最近、というか高校生になってからはあんまり車で来ていないが。


「女優、今は休んでるから。」

「え?そうなの?」

「流石に気づいてよ。私が仕事してないなんて変じゃん。」

「いや、知らないけど。」

「知っててよ!」


ともかく、俺と幼馴染を乗せた電車は俺らの目的地へと向かっていった。





「お前ら、電車で朝からイチャイチャしてんなよ。」


背の高い男はそうやって笑いながら、朝ご飯がわりのパンを食べながら話していた俺と高橋に話しかけた。


「馬鹿、やめろって。」


俺は高橋が隣にいるのも関わらず、電車の中で俺と幼馴染がしていたことを喋り続ける奴を睨みつける。だけど、当の本人は何も気にするような感じじゃなかった。というか、むしろ嬉しそうに言った。


「良かったなあ。京香さんとハジメがそうやって仲良く学校に通えて。」


俺は驚いて、俺と幼馴染のことを勝手に話した橋本君を睨みつけていた目を金髪に向けた。


「お前、何言ってんの?」

「え。いや、京香さんとハジメが仲良く話せるようになって良かったなあって。」

「俺が京香と仲良くしていいの?」

「何が悪いんだよ?」


金髪は不思議そうな表情を顔に浮かべる。


「お、お前、さては変態だな?この性犯罪者め!」

「いや、逆にどこを変態だと思ったのかが聞きたい。」

「黙れ、ボケナス!」

「何故に罵倒?」


そうやってふざけてばっかりいた俺らは気づかなかった。幼馴染でもない藤宮さんでもない人から視線が送られていたことを。時間は過ぎていく。誰もそのことに気づかないまま。


たくさんの応援ありがとうございます。ジャンル別は一位と1ポイント差でしたね。少し笑ってしまいました。また頑張りましょう。


いつも宣伝している作品なのですが、ジャンル別の日間ランキングに入ったら辞めようと思います。どうか、一晩だけでも評価を頂けたら嬉しいです。


https://ncode.syosetu.com/n5042fs/



これからも作品をよろしくお願いします。

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