ラブコメあるあるの告白を引き延ばすパターンでは無い
第5話 ラブコメあるあるの告白を引き延ばすパターンでは無い
「さすがのハジメでも、もう私の気持ちには気づいているよね?」
ここは少し場所を移動して、幼馴染の部屋。なんで連れてこられたかは分からないが、俺が自分の部屋から移動することを反対していたもみじに、何か用事ができたということで、結果的に俺はここに来た。
「お前の気持ち?」
「そう。」
そして、幼馴染の30畳ぐらいあるんじゃ無いかと思うくらい広い部屋のベットの端に追い詰められていた。
「お前が誰かのことを好きってことか?」
「まあ、そうね。」
京香は恥ずかしそうに下を向いている。でも、俺はその答えを知っている。こいつは高橋と付き合ってるんだよな。多分。
「昨日、知ったわ。」
「き、昨日?随分と急だけど。ま、まあ分かってるならいいんだけど。それで、返事は?」
グッと目に力を込めて幼馴染はこちらを見る。と、そうは言われても俺はショックではあるけれど、京香が誰かと付き合うのに全く反対する気はない。
「良いと思うけど。」
幼馴染はグッと拳を握りしめる。なんで、既視感があるんだろうと思ってたけど、分かった。サッカーの試合に勝った時の監督がやってるのと同じなのだ。
するとしばらくの間、下を向いていていた幼馴染はこちらに向き変えると、まだ赤いままの顔を俺に近づけて言葉を発した。
「ん。」
幼馴染は俺に向かって腕を広げる。
「え?なんですか?急に。怖いんですけど。」
「ん!」
幼馴染は不満げな顔をし続ける。
「言わなきゃわかんない?」
「いや、我々まだ高校生ですし、それにその、悪いというか。」
「まあ、ハジメだから分かってたけどね。このヘタレ。」
幼馴染は残念そうに俺から離れる。
「だから、明日からは覚悟しといてね!もっとガンガン行くから。」
盛大な勘違いは交錯したまま、俺と幼馴染の新たな関係は始まった。
ジャンル別3位になっていました。本当にありがとうございます。5話面白く無いと思うんですけど、6話、7話で盛り上げていくのでこれからもどうかお願いします。
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こちらもどうかよろしくお願いします。