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計算高い幼馴染は他のヒロインの登場前に主人公を落としてやろうと誓った。

大幅に内容を変更してしまってすみません。

第2話 計算高い幼馴染は他のヒロインの登場前に主人公を落としてやろうと誓った。



「ねえ、なんであんな「お前ら、付き合っちゃえよー。」みたいなアドリブを入れたの?」

「すみません。良かれと思って。」

「でも、私、言ったわよね。私がハジメと付き合う計画は少しづつ進めていくって!!」


彼女は勢いよく言い切る。


「私は、絶対に自分の欲しい物は手に入れたいの。その為にはなんでもするわ。例え、自分のキャラを作ってでも。」

「だから、綿密な計算の上で進めている私の計画に変な横槍をささないで。絶対にこれは失敗したくないの。」


しかし、そんな強い京香の言葉にも脇にいる二人は全く動揺を見せてはいなかった。


「でも、京香、そんなこと言ってる割に全然告白しないよね。」

「うっ!」


京香に的確なツッコミを入れるギャルっぽい見た目をしている藤宮さん。そうして、それに金髪頭の高橋が追随した。


「なんか、ノリで土下座しちゃいましたけど、藤宮の言う通りで本当にいつになったら告白するんですか?」

「わ、分かってるわよ!そ、そのいつかは告白しなきゃいけないって事は。」


そして、開き直ったかのような事を言い出す。


「で、でも、私可愛いし、女優とかもやってるし、家もお金持ちだし。そ、それに女の子は白馬の王子様とかいつだって夢見てるし。男のあいつの方から告白するのが筋なんじゃないの?」

「あのね、京香。現実世界に白馬の王子様なんて居ないし。それに、早くしないとハジメくんやばいかもよ。」

「なんでよ?言っちゃ悪いけど、あいつが女の子にモテてるのなんて見た事無いわよ。」


藤宮さんと高橋はこいつは正気かと言う風に顔を見合わせる。


「ハジメはかっこいいです。それもかなり目に。」

「まあ、確かにそうね。ドラマの撮影とかでもあいつよりかっこいい人はなかなか見ないわ。」

「それでいて、優しいです。」

「そうね。結構、気が配れるわよね。私が小さい頃から教育したおかげね。」

「バスケ部だって普通にレギュラーです。」

「まあ、私に良いところを見せたかったのかしら。良い心掛けだわ。」

「そして、俺は今日、ハジメが今日クラスの女子たちの中でカッコ良いと話に上がっていたのを聞きました。」


京香はその端正な顔に非常に驚いた表情を浮かべる。


「俺たちは高校二年生になりました。確かに一年生の時はこの学校や部活に慣れるのに必死で、一部の人を除いて恋愛なんかにかまけてる暇はありません。」

「何よ。良いじゃないの。成績良いんだから。」

「だけど、もう2年です。青春ど真ん中で、人生の中で一番勢いがある時です。」


京香がその言葉に頷いて、それを見た藤宮がはなしだす。


「ハジメ君くらいカッコ良い子がいたら、どんな女の子でも好きになるでしょ。例え、ハジメ君にハジメ君のことが好きな幼馴染がいたとしても。」

「まあ、そうだとしても。で、でも、私たちは幼馴染よ。16年の絆があるわ!」

「幼馴染は負けるよ。」

「な、なんでそんなこと言うのよ!確かに漫画とかで幼馴染が勝つ事は少ないけれど。」


藤宮はそっと京香の肩に手を置く。


「なんで、いつも幼馴染が負けるかは知ってる?」

「親しすぎるからこその、それが恋愛かどうかわからないみたいな。」


やれやれみたいなジェスチャーをしながら藤宮は京香のことを見る。


「な、何よ!私が間違ってるって言うの?」

「まあ、間違ってはないんだけど。答えは簡単で、ヒロインが登場するからでしょ。他のヒロインさえいなければ他に女の子がいないから主人公は幼馴染とくっつくしか無いでしょ。」

「まあ、そう考えたらそうね。」


簡単な話ねと京香は答える。


「だから、先に動かなきゃならないの。幼馴染が他のヒロインと違って許されているのは早さ。上手くいけばヒロインの登場前に主人公を捕まえることが出来る。」

「そ、そんな。そうしたら幼馴染はさ、最強じゃないの。」

「そう。いつも幼馴染が負けるのは油断しているから。他のヒロインが登場してから動き出すのが悪いの。本来であれば、最強のヒロインは幼馴染。主人公との距離感も近いし、時間も長い。そして、今はまだハジメ君の周りには他のヒロインが登場していない。」

「つ、つまり。」

「京香が決めるなら今しかない。」


盛り上がっている女子二人を見て、高橋は部活のバックを持つ。


「とにかく、これ以上遅くなると怪しまれますから部活行きますけど。京香様。今日は作戦371ですからね。」

「高橋。藤宮。これまでありがとう。私、二人のおかげで目が覚めた様な気がするわ。今日、決めてくる。」


頷く京香を見て、高橋は今日までの長い道のりに意味があったことを噛みしめた。でも、まだ終わりじゃないと気を引き締める。


「お願いしますよ。」


そうして、金髪は教室のドアをがたんと閉めて部活へと向かった。


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