幼馴染は可愛くて優しくて最高です。
第一話 幼馴染は可愛くて優しくて最高です。
「ねえ、ハジメ。ねえ。起きて。」
肩が揺すられるのを感じる。そうして、俺は目が覚めた。
「もう〜、寝すぎだよ。」
可愛らしい顔で少女は微笑む。目の前に立つのは俺の幼馴染の甘露寺 京香。超絶美少女とか、モデルをやっているとか、CMに出ているとか色々説明の方法はあるが、要するにSSランク美少女だ。
「あれ?今は?」
「もう、放課後だよ。6時間目ずっと寝てたでしょ。後で、ノート見せてあげるから。ハジメは早く部活に行った方が良いよ。」
教室を見渡す。どれだけ寝ていたかは知らないが、確かに教室にはもう他の人はいなくなっていて、教室にいるのは俺の友達の高橋と京香の友達の藤宮さんだけだ。
「俺、何時間寝てたの?」
「寝顔が可愛かった・・・じゃなくて、その気持ち良さそうに寝てたから起こせなかったの!」
「え?今の前振りは何?」
「う、うるさい。早く忘れて。」
幼馴染が早く俺を部活に行かせようと俺を引っ張る。すると、金髪頭の高橋から声が聞こえた。
「お前ら、そんなにイチャイチャしてんなら付き合っちゃえよー。」
「べ、べ、べ、別にイチャイチャなんてしてないし。」
幼馴染が慌てふためく。可愛い。そうして、そんな様子の幼馴染を見て微笑んでいた。
まあ、こんな事が出来るのは今、教室に人が居ないからで普段はこんな事は出来ない。俺はクラスでも目立つ方ではないし、反対に幼馴染はクラスの中心どころか日本の中心だからだ。要するに、俺はちゃんと自分の立場をわきまえているのだ。
「高橋。部活行くか?」
俺はさきほどからかってきた金髪頭に声をかける。こいつは俺の仲良しの友達だ。
「いや、俺は日直の仕事があるから。先に行っといてくれ。」
「わかった。」
そうして、俺は幼馴染と教室にまだいた藤宮さんに別れを告げて教室を出た。でも、体育館に向かう道の半分くらいの所で部活の道具を忘れたことに気づいた。
「あー、戻んなきゃな。」
教室に少し駆けながら戻る。だけど、教室には信じられない光景が広がっていた。
「高橋。土下座。」
椅子に座って足を組んでいる幼馴染の京香に向かって、土下座をしている高橋。よく見ると、京香の友達の藤宮さんも京香の隣に座っている。
俺はすぐにその場所を離れた。信じられなかったのだ。純粋で優しいと思っていた幼馴染がそんなことをしているなんて。でも、教室での会話は俺の知らない間に進んでいった。