表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/202

竜神帝国へ②

「それじゃあ送りますか」


 アリスは駒達に視線を向けて毒竜(ラステマ)で止めるとちょいちょいと手招きをした。


「あんた達をまず送るから安全確保しておくこと。もし怠ったら大変な事になるわよ。もし、大変なことの内容を知りたければ安全確保を怠ってね♪」


 アリスはニッコリと笑って毒竜(ラステマ)に言うと毒竜(ラステマ)のメンバー達は首をブンブンと横にふった。


「物わかりの良い駒達で嬉しいわ」


 アリスの声には毒竜(ラステマ)への敬意が著しく欠けているのだが全く意に介した様子はない。


 アリスは魔法陣を展開すると毒竜(ラステマ)の姿がかき消えた。


「しばらく待っておいて」


 毒竜(ラステマ)を送り出したアリスはしばし、待ってからエリスに視線を移した。


「うん、大丈夫みたい。六人とも生きてるわ」

「了解♪」


 エリスの返答を聞きアリスは次に灰色の猟犬(グレイハウンド)へと視線を向けると手招きをする。

 エリスが施した呪血命(まじないのちのみこと)は行動を縛ったもの達が生きているかどうかを感じとることができるのである。


「次はあんた達よ」


 アリスは灰色の猟犬(グレイハウンド)を次に送り出し、しばらく待ってから次のチームを送り出していく。


「どうやら大丈夫みたいね」


 エリスに駒達の健在を確認してからアリスは今度はアディル達に向け言う。


「お待たせ、みんな行くわよ」


 アリスが言うとアディル達全員が頷いた。アリスが魔法陣を展開するとアディル達の視界がぐにゃりと歪み、回復したときにはすでにアディル達は別の場所にたっていた。


「ここからどれぐらいなの?」

「大体二時間ぐらいね」


 エスティルの問いかけにアリスは即座に返答すると、エスティルは頷くと魔力を形成し一台の馬車を形成した。

 エスティルは魔力を形成して色々なものを作り上げることが出来る事に目をつけたヴェルの提案により馬車を作ることを提案し、エスティルが多少の練習を要したが、馬車を作ることに成功したのである。


「次はアディルね」

「おう」


 次いでアディルがヴェルの問いかけに即座に応じ、懐から符を二枚取り出して地面に放るとモコモコと黒いもやが発生し、馬の形へとなった。


 アディルはエスティルの形成した馬車に自らの馬の形をとった式神をつないだ。


「よし、それじゃあ乗ってくれ」


 アディルが御者台へと乗ると仲間達は馬車へと乗り込んでいく。


「アリスはここだ」

「ふぇ、そ、そこなの!?」


 アディルが自分の座る御者台の隣の席をポンポンと叩いてアリスを呼ぶとアリスは大いに動揺する。


「当たり前だろ。アリスが道案内してくれないと困るだろ」

「あ、うん。そうよね。仕方ないわよね!!」

「お、おう」


 アリスが妙にテンションをあげて同意するとアディルは若干引いたようにアリスを隣に座らせた。

 アリスは何でもないように装っているが所々で、口許が少しばかり緩んでいた。


 女性陣がジト~とした視線を送るのだが、アリスを隣に座らせる意味は理解しているため、反対意見をのべるようなことはしなかった。


(これは楽しくなってきたもんじゃ。王女もがんばらんといけませんぞ)


 ジルドは苦笑を浮かべながらベアトリスを見てそう思う。

 ジルドの苦笑の意味を察したベアトリスは口を尖らせるのであった。 





















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ