表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/202

対毒竜戦⑥

「それじゃあ行くとしましょうか♪」


 ベアトリスはにこやかに笑いながら魔法陣を展開させ、一体の傀儡を召喚する。


 その傀儡は、銀色の髪に黒いドレスを纏っている美しい傀儡である。傀儡の名は黒の貴婦人(エルメト)という。

 ベアトリスは指先から魔力の糸で黒の貴婦人(エルメト)と自分をつなげると黒の貴婦人(エルメト)の目が怪しく光った。


 黒の貴婦人(エルメト)を見た毒竜(ラステマ)のウルディーの顔が引きつった。


「そ、それは黒の貴婦人(エルメト)……まさか、貴様はベアトリス王女か?」

「ご名答♪」


 ウルディーの問いかけにベアトリスはにっこりと返答すると黒の貴婦人(エルメト)の左腕がウルディーに向けて放たれた。


「くっ!!」


 放たれた黒の貴婦人(エルメト)の左腕をウルディーはバックステップで躱すと腰に差した剣を抜き放った。


「甘い!!」


 ベアトリスは簡潔に言うと指を高速で動かすと黒の貴婦人(エルメト)がウルディーへと襲い掛かった。ほぼ一瞬でウルディーとの間合いをつぶした黒の貴婦人(エルメト)の右拳がウルディーへと放たれる。

 ウルディーは放たれた右拳を紙一重で躱すと黒の貴婦人(エルメト)へ斬撃を放つ。


 ウルディーの斬撃が黒の貴婦人(エルメト)の胴体部に触れるがウルディーの剣は黒の貴婦人(エルメト)の体を切り裂くことはできない。


「な……斬れないだと!!」


 ウルディーから驚きの声があがる。ウルディーは魔力を剣に通し強化しており、鉄であっても斬り裂くのはたやすいはずなのに黒の貴婦人(エルメト)に通じないのだ。


 ウルディーの動揺をベアトリスは見逃すことなく攻撃に移る。黒の貴婦人(エルメト)の左腕はいつの間にか元あるところに戻っており、両腕となった黒の貴婦人(エルメト)の両拳の乱撃が放たれる。


「く、くそ……」


 ウルディーは黒の貴婦人(エルメト)の連撃を捌きながらチラリとベアトリスを見る。確かに黒の貴婦人(エルメト)の放つ連撃は速度こそすさまじいものがあるが、傀儡の拳であり同じタイミング、リズムで放たれるため、躱しきれないというものではなかったのだ。


(いける。ここでベアトリスを人質にとればこの戦いは勝ちだ)


 ウルディーは仲間たちの戦いに視線を向けると確実に毒竜(ラステマ)が劣勢に立たされているのがわかった。


 この劣勢を跳ね返すにはベアトリスを人質にとるしかないとウルディーが考えるのも当然であった。


 ウルディーは黒の貴婦人(エルメト)の連撃を躱しジリジリと位置を変える。ウルディーの狙いはベアトリスとの距離を少しずつ詰め、一足飛びでベアトリスを捕らえることのできる距離への移動であった。


 そして、ウルディーはついに狙った位置につき、ベアトリスをとらえるために行動に移そうとした瞬間、すさまじい衝撃がウルディーの背中に発した。


「が……」


 ウルディーが振り返るとそこにはベアトリスが片足を挙げた状態で立っていたのである。ベアトリスの体勢を見たときにウルディーは何が起こったか察した。


「私が傀儡師(ドールマスター)だからって近接戦闘が出来ないと思うなんて……おバカさんね♪」


 ベアトリスが憐れむような声をウルディーに投げかけるのと同時に黒の貴婦人(エルメト)の連撃がウルディーに叩き込まれた。


 ドゴドゴドゴドゴドゴドゴゴゴゴゴゴゴ!!


 容赦なく叩き込まれた連撃にウルディーは宙に舞いながら自分の敗北を悟った。


「さ、おしまい」


 ベアトリスは地に伏したウルディーを見下ろしながら勝利を宣言した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ