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受難というより報い③

 う~ん……エリスを強くしすぎたかなと思うけど設定からこれぐらいはやるという事で(^∇^)

 灰色の猟犬(グレイハウンド)達は突然のアディル達の行動に完全に面食らっていた。アディル達を獲物と見ていた灰色の猟犬(グレイハウンド)達はまさか自分達が襲われる立場に立たされるとは全く考えていなかったのだ。


 エリスが襲いかかったのはビスト達のチームである。エリスは何の気配もなくビスト達のチームの間合いに飛び込むと先制攻撃を放った。

 エリスの拳は一本拳と呼ばれる人差し指が飛び出た握り拳である。ビストのチームの治癒術士の人中という急所にエリスの拳がめり込んだ。まともに食らった治癒術士は膝から崩れ落ちた。


「て、てめぇ!!」


 ビストが威嚇の声を上げるがエリスはそれに構うことなく次の獲物に襲いかかった。エリスが次に狙ったのは弓術士(アーチャー)である。

 エリスは弓術士(アーチャー)の膝に飛び乗ると勢いそのままに弓術士(アーチャー)の顎に膝を入れた。その威力は凄まじく弓術士(アーチャー)の顎はものの見事に砕ける。

 弓術士(アーチャー)はそのまま倒れ込みエリスはそのまま弓術士(アーチャー)を踏みつける形となってしまった。女性に踏まれることに興奮を感じる男性がいるのは確かであるが、このような形でないのは確かであろう。


「くそ!!」


 魔術師がエリスに向かって何らかの魔術を放とうとするがそれよりも早くエリスはナイフを投擲すると魔術師の肩に突き刺さった。


「がぁ!!」


 魔術師が苦痛の声を上げると同時にエリスは跳躍すると空中で一回転し魔術師の背後に着地する。エリスの投擲したナイフの柄には、針金をより合わせたワイヤーが結ばれており、エリスは魔術師の背後に着地すると同時に魔術師の首にワイヤーを引っかける。エリスは首に引っかけたワイヤーを使って魔術師を背負うと容赦なく、そのまま魔術師を頭から地面に落とした。

 首に引っかかったワイヤーに気をとられた魔術師は受け身をとることも出来なかった。


「て、てめぇは一体何者だ!?」


 ビストは明らかに狼狽した声を発した。エリスの容姿は華奢な美少女と呼ぶに相応しいものであるのにわずか一分程でメンバーの半分が戦闘不能となったのだから当然と言えば当然であろう。


(そんな事どうでもいいじゃない……今気にするような事じゃないわよ)


 エリスは心の中でビストの言葉に侮蔑の返答を行う。ここでエリスが声を出さなかったのはビストが冷静になる可能性を考慮したからである。エリスがまったく声を出さずに淡々とビスト達を蹴散らしていけばいくほどビスト達の動揺は大きくなると考えたのである。


「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「舐めるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 二人の前衛がエリスへ怒りの声を上げながら武器を振り上げて突っ込んでくる。エリスは下がるのでは無く逆に前に出ると剣が振り下ろされるよりも速く懐に飛び込み顎先に掌抵を叩き込んだ。

 顎先を強打された男は顎先を基点に一回転し地面に落ちる。エリスは次の相手に対応するために体の向きを変えるために足の位置を入れ替える時に倒れた男の顔面を蹴りつけた。単なる偶然と言うには男の口にエリスの踵が突き刺さるという男の歯の数本が砕け散る事実が血生臭すぎた。


 振り下ろした剣をエリスはスルリと横に避けると同時に手首をしならせて斬りかかってきた男の顔面に叩きつける。エリスのしなやかな指が男の目に入ると男の視界は一気に失われた。例え一時のものであっても戦いの最中に視力を失うというのは勝負ありと同義である。

 実際にエリスは男の腕を極めるとそのまま背後に回り込んで極めた腕を真下に振り下ろした。男は頭頂部から地面に叩きつけられそのまま意識を手放した。

 エリスは片足を上げて気絶した男の胸を踏み抜いた。ギョギリという胸骨の砕ける音が周囲に響いた。


「さて、あとはあんただけね」


 エリスはガタガタと震えるビストに笑みを向けた。ビストの震えはエリスの有する戦闘力はとても自分では勝てない事を示していた。エリスはビストの震えからすでに白旗を上げている事に気づいたために言葉を投げ掛けたのだ。


「ま、待ってくれ。俺の負けだ!!」


 ビストは両手を前に突き出しエリスへの命乞いを始めるがエリスの反応は冷淡そのものである。


「私達を強姦しようとしたあんた達を許すなんて、どうしたらそんな甘い考えを持てるのかしら?」

「な……なぜ」


 エリスの言葉にビストは明らかに狼狽える。その動揺こそがエリスの言葉が真実である事の証拠であった。

 エリスは一歩一歩歩を進める。エリスは歩を進めるごとに隠しきれない怒気が発せられた。


「ひっ……」

「安心して……命だけは助けてやるわ。まぁ幸せとは程遠い一生を歩む事になるんだけどね」

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 ビストは剣を抜くとエリスに斬りかかってきた。追い詰められたビストの斬撃は稚拙と呼ぶのが最も相応しいものであろう。エリスは一切の動揺を示す事なくナイフを投擲した。エリスの投げたナイフはビストの剣を持つ手にピンポイントで突き刺さった。


「ぎゃああああああ!!」


 ビストが絶叫を放つとエリスは腕を横に振るとビストが口から血と歯を撒き散らしながら横に吹っ飛んだ。

 エリスの手には鎖が握られており、鎖の先の分銅から血がしたたり落ちていた。エリスが袖口に仕込んでいた鎖を放ちビストの顔面を打ち砕いたのだ。


「殺しはしないわ。でもあんた達が殺した人達のためにもう一発ぐらい甘んじて受けなさい」


 エリスは既に意識を失っているビストの顔面を鷲づかみするとそのまま片手(・・)で持ち上げると右拳に魔力を込めるとビストの胸部に正拳突きを放った。エリスの魔力によって強化された拳がビストの胸甲を打ち砕くとビストは数メートルの距離を飛び地面に転がった。


「しばらくそこで転がってなさい」


 エリスはビスト達を蹴散らすとアディル達の戦いに視線を向けた。

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