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小さなパン屋の恋物語   作者: あさの紅茶


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*

琴葉はしばらく抱きしめられたまま、雄大はその通りにそれ以上何もせず、ただ静かに彼の温もりを感じていた。

温かくて幸せで目を閉じたらそのまま寝てしまいそうだ。


明日が休みならどんなにいいだろう。

そんな風に考えて、いや、明日もお互い仕事じゃないかと琴葉は我に返る。

雄大はこの後自宅に帰らなくてはいけないのだ。

遅くなってしまっては睡眠時間が削られ、それこそ疲労に繋がる。


「そういえば雄くんって家までどれくらいかかるの?」


いつも雄大が琴葉の元へ通うばかりで、琴葉は雄大がどこに住んでいるのか知らなかった。

車で来て車で帰って行くことしか把握していない。


「渋滞がなければ1時間以内で着くよ。」


「えっ!1時間?!」


「1時間以内。スムーズに行けば3、40分かな。」


「えーーー。」


思いの外遠くて、琴葉はため息混じりに呻いた。


疲れて帰って来て、それからまた1時間も運転して自宅へ戻るなんて、体力がいくらあっても足りないくらいだ。

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