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ウィンドウショッピングだなんて、そんな気などすっかり無くなってしまった。

そのまままっすぐ家に帰り、琴葉はへなへなと座り込んむ。

何だかどっと疲れて、そのままごろりと寝転んだ。

杏奈に言われた言葉が頭の中をぐるぐる支配して、どうにかなってしまいそうだ。


雄大に連絡をしようかとカバンからスマホを取り出すと、着信を知らせるランプが点滅していた。

見れば着信が3件、メッセージが1件入っている。

どれも雄大からだった。


【急な海外出張になった。一週間後に戻る。戸締まりきちんとするように。】


急いでいたのだろう、用件のみの無機質な文章だ。

けれどそこには雄大の優しさが滲み出ているような気がして、琴葉は思わず笑みが漏れた。


ほら、早瀬さんは忙しい。

そして優しい。

大好きな人。

大好きだから、さよならしますね。


【今までありがとうございました。とても素敵な思い出、大事にします。お仕事頑張ってください。】


琴葉はそうメッセージを送るが、すぐに既読は付かなかった。

きっと仕事が忙しいのだろう。

それでいいのだ。

期待などしない。


琴葉はいつも通り鍵をかけたが、minamiも母屋も何度も戸締まりを確認した。

別にいつもと変わらない日常なのに妙に寂しく感じられて、そんな気持ちを振り払おうと早々に布団に潜った。


けれど、なかなか眠りにつくことができなかった。

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