表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/115

*

訳もわからず連れてこられたのはシックな佇まいの高級そうなブティックだった。

車から降ろされ店の前で立ち尽くしていると、こっちと雄大が琴葉の手を引く。


完全に女性用のヒラヒラした洋服の合間をぬって奥に進んでいくと、雄大は店員らしき女性に声をかけた。


「彼女をお姫様にしてほしいんだけど。」


パソコンで何やら作業をしていた女性は、雄大の声に顔を上げる。

綺麗な顔立ちのその女性はとても凛としていて美しく、もしかして雄大の彼女なのではと琴葉の頭を過って思わず身構えた。

だがそれは一瞬のうちの杞憂に終わる。


「あらやだ、なんて可愛らしいの!雄大の彼女?」


「か、かのじょ?!」


「いや、今から口説くとこ。」


「く、くどくっ?!」


琴葉はその女性と雄大の会話に付いていけず、あたふたとしてしまう。


「初めまして、雄大の姉の綾菜です。」


その女性、綾菜がニコリと上品な笑みを称えながら挨拶をするので、琴葉も慌てて頭を下げた。


「あ、あの、初めまして。南部琴葉といいます。」


「琴葉ちゃん。名前まで可愛いのねぇ。」


上から下まで舐めるように見られ琴葉は思わず萎縮したが、雄大が琴葉を引き寄せる。

距離が近くて緊張すると同時に、雄大が側にいるという安心感で胸がいっぱいになった。


「なるべく早めに。今から食事に行くんだ。」


「はいはい。」


今度は綾菜が琴葉を引き寄せると、奥の部屋に入ってシャッとカーテンを閉めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ