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自分のデスクに戻りパンを噛りながらパソコンで図面の確認をする。

思えば昼休みにきちんと昼食を取るなんていうのも久しぶりな気がした。

「昼休みまで仕事熱心ね。」

ランチから戻ってきたであろう杏奈が、雄大のモニターを覗きこむ。

と同時に叫んだ。

「ちょっと、嘘でしょ！」

あまりの驚きように雄大はパンを噛ったまま杏奈を見る。

「何が？」

「あなたが昼休みにちゃんとパンを食べてるなんて！いつも食には興味ない雄大が？！熱でもあるんじゃないの？」

そう言って大げさに雄大のおでこに手を当てる。

「俺だって腹が減ればちゃんと食べるさ。」

杏奈は信じられないといった顔で頭を振り、ふとデスクに置かれている紙袋に気付き手に取る。

「これ、minamiのパンじゃない。どうしたの？」

「買った。」

「雄大が？」

「何だよ？」

「私があげたパン、気に入ったんだ？私よく行くから、食べたいならまた買ってきてあげるわよ。」

「いや、いい。」

「遠慮しなくていいってば。」

「杏奈、俺の世話はやかなくていいから。」

そう言い放つと、雄大はもう会話をやめてモニターに視線を戻した。

その態度が気に入らず、杏奈は苛立ちを覚えてデスクを軽く小突く。