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黒い刀を持つ少年
時間は真夜中。
土砂降りの雨が降る中、街の路地裏で
まだ年端もいかない少年が、
中年くらいの男の首に刀を突きつけていた。
「あんたも違う…」
少年は静かにだがその短い言葉に憎しみをこめてるかの様に呟いた。
「ヒィ…た、助けてくれ!」
中年の男は地面にヘタレ込み、体を震わせ、
泣きそう声で少年に懇願している。
「あんたら罪人に同情の余地はねぇ」
そういうと少年は中年の首を刀で切りつけた。
刀は刃先から柄まで真っ黒だが、中年の血で
赤く染まっていた。
中年の骸を引きずりながら、
少年はどこかへと歩き始めた。