第1話 『失敗作の高性能アンドロイド』
昔書いた短編小説を、ちょっぴり手直しして公開します。
13歳の頃の作品なので、暖かい目で読んでいただけると嬉しいです。
そう遠くない未来。
僕は今、『死』というとても長い旅のゴールを向えようとしています。
この世に存在している物は全て、この世でとても長い旅をして、ゴールへと向かっていくのです。
つまり、始まりがある物には、終わりがあるということ。
皆自分では気づいてなくても一日が終わるにつれ、一歩、また一歩と、死への道を確実に進んでいるのです。
僕は、その最後の一歩を踏み切ろうとしています。
今までいろいろなことがありました……。
時代はさかのぼり、僕が誕生するところからお話いたしましょう。
地球では、人工知能が発達し、人間の手助けをするアンドロイドが一般的に普及し始めていました。
僕は、アンドロイド史上最も壊れにくく、自らを含め、あらゆる機械の修理が可能な上、感情や表情も豊かな、高性能アンドロイドとして開発されました。
おそらく、この地球が滅亡でもしない限り、僕が死ぬことはないでしょう。
そんな僕のご主人様は、別に王様や超大金持ちではありません。旦那様がアンドロイド会社で技術者をしている、ごく普通の家族です。
≪つづく≫
次回は、アンドロイドが大変身を遂げます。お楽しみに!