表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Vertrag des Bluts  作者: 灯籠
8/10

Fragment

「ん。」

屡軌がそう言いながら手を出してきた

「え?・・・あ、はい」

コップを渡すと沈黙が流れた。

「・・・・・・。」

「俺の顔になんかついてるか?」

じっと見つめられていたのが気に障ったのか少し不機嫌な顔になる。

「いいえ、ただ・・・。」

「ただ?」

「思ったより優しい方なんだな・・・と。」

「兄貴よりも?」

今日はその話にとんと縁があるようだ。

「ええ。」

「兄貴は優しいっつうか、甘いからな。」

「そう、何ですか・・・。」

全然優しそうには見えないけれど。弟には優しいのかしら?

自分が助けてもらったことを棚上げしていることに気づいていない・・・。

「ああ。」

わかりにくいけどな。

「だから、傷つくのに・・・やめないんだ。」

「はぁ・・・かわいそうですね。」

そんな人には見えないけれど。

「同情してもどうにもならんからな、周りで支えてやらないと・・・。」

本当に無茶ばかりしてくれる兄で・・・。

「やはり、貴方はお優しい。」

支える・・・か。

「あはは、人の必死の願いをいとも容易く踏みにじるけどね。俺は。」

なんか、手玉に取られてねぇか?俺。

「それも、お兄様を思ってのことでしょう?」

「そうだね、兄貴のためなら悪魔にも天使にもなれる自信がある。」

やっぱり面白い女。

「吸血鬼の口から、悪魔や天使などと言う言葉が出るとは驚きです。」

信じているのかしら?

「一応下界にも、興味はあるから・・・。」

そう言うと少しほほ笑んだ。

「では、私がお話しましょうか?」

一応神官に身を置いていたのだから少しは役に立つよね・・・。

「次の機会に頼むよ。」

この女聖職者か。

「はい。」

次っていつかしら。またお話できるのが楽しみだわ

「・・・・・・。」

「すいません、貴方の名をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「俺か?俺は屡軌。」

「屡軌さん。」

()()と一文字違いなのね・・・さすが兄弟だわ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ