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Vertrag des Bluts  作者: 灯籠
5/10

Wirklichkeit

「はい、お手紙沢山届いておりますよ?」

何かを思い出しているのかしら。

「そうか、全て火にくべてやれ。」

やはり、言うべきではなかったか。

「はい。」

「愚か者の書いた手紙でも、暖炉の肥やしくらいにはなるだろう。」

「はい、其の手紙ちょっと待ったぁ!!!」

「なんだ、お前もう起きたのか?」

「おう、兄貴・・・それにしても相変わらず残酷だよなぁ、兄貴って。」

「お前だって人間は愚かだと思うだろ?」

「ああ、起こさなくていい争いは起こすし、自分が一番不幸だと思ってる節とか見てるとこう、なんていうか串刺しにしてやりたくなるよな、ああいうヤツの血を吸う位なら飢えて死んだほうがましだしさ。」

言いながら目は稀羅から受け取った手紙を追っている。

「お前悪趣味だぞ。」

「いやぁ、こう死にそうなやつからの血文字って見てて楽しんだよ。」

本当になんで逃げ出した奴がわざわざ手紙なんか寄こすのか・・・。

「そういうのを悪趣味というんだ。」

「えぇなになに?『()()様あの時のこと・・・とても反省しています、どうか、どうか私をお許しくださいこの醜い世界から連れだしてください』?ふ、ふはははははははははは!!!」

一通り、笑ったあと。涙目で稀羅を見ながら言う

「自分で選んだ道だ、自分で何とかしろっての!!!

サンキュ、稀羅もう燃やしてくれてかまわないぞ。」

「はい。」

そういえば兄貴、新しいやつが入ったのか?」

なんか他人の匂いがするんだよなぁ。

「ああ、また気まぐれを起こしてしまってな・・・。」

私も、愚かだよな―――紅茶をいれてくれたあの人に見えるなんて。

「おいおい、また人間かよ。」

「ああ。」

「兄貴は優しすぎるんだよ。」


読んで頂きありがとうございます。


  灯籠

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