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Vertrag des Bluts  作者: 灯籠
4/10

Hinter Gedächtnis

「無事運び終わりました。」

主様が紅茶を呑んでいる・・・紅茶嫌いは克服されたのかしら?

見間違いではないかと目を擦る。

しかし、目の前の主――()()――は確かにティーカップに注がれた紅茶に口をつけている。

不意にそのカップから口が離され、こちらも向かずに口が開かれる。

「そうか、ご苦労。」

「今後はいかがなさいますか?」

たしか予定はなかった筈よね

「少しの間この屋敷に滞在するとしよう。」

面白いモノも手に入ったことだしこの屋敷にいるのもいいかもな

「しかし、協会に見つかってしまうのでは?」

やはり、今宵の主様はどこかおかしいわ!

「そこらへん抜かりはない。」

――協会ね。

「ご意思に従いましょう、主様。」

その後しばし続いた沈黙を破ったのは意外にも()()だった

「人間界など、所詮ゴミたちの溜り場だ。」

そう言われた稀羅は事態が読み込めず目を見張る

しかし、ここは長年この主に仕えた稀羅だ――すぐに主の望む応えをはじきだす。

「いかにも、神にも悪魔にもなれない中途半端なモノたちの集まりですわね。」

紅茶を呑むなど、久しいな。

そういえば昔毎日紅茶をいれてくれた人がいたな――

―――『私はね。紅茶の中ではダージリンが一番好きなの。』

遠い記憶が昨日のことのように甦る。

「そう、昔それでも人間界に帰るといった愚か者が居たな。」

俺はアールグレイが好きだったよ―――

それは紅茶の好きな『彼女』が唯一嫌いだったもの。





読んで下さりありがとうございます。


 灯籠

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