Diese Wirklichkeit
「ああ、喉が渇いちゃった。」
さぁて、どうするかなぁ?
「はい、紅茶です。」
私の近くに紅茶の嫌いな人はいなかったから、紅茶なら大丈夫よね・・・。
「分かってないなぁ、僕の喉を潤せるのは・・・血液だけだよ?」
吸血鬼に紅茶を出すなんて面白いなぁ。
「はぁ、すいません。」
なんか、今すごいこと言われなかった?
「・・・・・・。」
ジリジリと近寄ってくる
「あ、あのなんですか?」
「ははっ本当は分かってるくせに。君、面白いね。」
「え、嫌ッ!!!」
「五月蝿い。黙れ『動くな』!!!」
少女は必死にもがくが
(え、体がビクともしない?)
「あはは、それじゃ遠慮なく・・・。」
「え、ヤダ!やめて怖い。」
プツッという音と共に首筋に牙が立てられる。
「いっう、あ・・・がっ!!!」
「・・・・・・。」
ジュルッという音が邑の全身に響きわたる
「嫌・・・だ、気持ち・・・悪い。」
「次期なれるよ。」
「・・・う、う・・・。」
「ご馳走様でした。」
「最悪!!!」
殴ろうとしたその時・・・邑の視界がグニャリと曲がりそのまま倒れてしまった。
「あーあ、今は多量の血を抜いたのと同じ状態だから貧血になったんだね、可愛そうに・・・。ちょっと君。」
「はい。」
「コイツを寝台に運んでやってくれ。」
「御意。」
控えていた使用人が部屋を後にしたのを確認すると、屡夷は先ほど邑が入れた紅茶を飲んだ。
「旨いな。」
読んで下さりありがとう存じます
灯籠