Saugen des Blutverhaltens
そのころドアの前では。
(ふぅ。アイツ兄貴には心許しまくってんじゃん・・・八つ裂きにする必要は――。
なさそうだな。)
「おや?」
「しっ。」
「申し訳御座いません。」
「いやいい、それよりさぁ。俺腹減っちゃった。」
「はぁ。先ほど食べたばかりでは?」
「そっちじゃなくてこっち。」
そういって牙を指差した。
「はぁ、でも場所を変えましょう。」
「ここじゃだめ?」
そういうとメイドの髪を掻き揚げた
「え、ちょっと・・・あの・・・その・・・。」
その目で見ないで・・・
「ねぇ、いいでしょ?痛くしないからさぁ・・・。」
「でも、その。」
一瞬屡軌の表情が変わった
「ちょっと、伏せてじっとして。」
「え。はい。」
次の瞬間ドアから、物凄い速さで短剣が飛んできて壁に刺さった。
「あっぶねぇ。」
「お前が使用人に絡んでるからだろ?愚弟。」
「ひっでぇ!邑は兄貴のだから手を出さなかったのに。」
「賢明な判断だな。」
今にもフンっと言いそうだ。
「もういい。」
「え?」
「兄貴の飲むから。」
「お前、ちょ。やめ・・・おい。」
プツリ
数分経過・・・
「ふぅ、兄貴のはやっぱり旨い。」
「お前。俺が腹減っただろ?」
「そ、じゃぁ・・・後はごゆっくり。」
邑をちらっと横目で見ると去って行った
「えっと、その私も・・・」
「だーめ。僕お腹減っちゃったんだから。」
「まさか・・・私の血を飲みたいと?」
「そう。そのまさかだよ。」
「嫌ですよ、痛いもん。」
「あはは、そんなに痛くしてほしいのか。」
「逆です逆!」
私遊ばれてるよね?
「逆の逆?」
つまりお姫様は痛いのがお好みと・・・いうことだな
「ちがーう!!!」
言葉が通じていない・・・。