予感
遅くなってしまいましたか、続編です。
読んでいただきありがとうございます。
薄暗い部屋の中、鷹野新司はパソコンをつけ、報告のための資料を制作する。
「無事奴に接近成功っと。案外簡単に仲良くなれるもんだな。」
「明日はどこまで情報収集できるか楽しみだな〜」椅子でクルクル回りながら笑う。
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「おはよー」
「おはよう幸汰」
今日は入学してから二日目。
「今日も友達できるといいな〜」
「敦士クラスにはとけ込めそう?」
「う〜ん、まだあんまり話す機会がなかったし、わかんないかな。幸汰はすぐ友達出来てたしすごいな」
「あれは成り行きというか、流れ的な?」
「流れで友達ってできるの?」
「普通はできないと思う」
「おっはー!」
二人で話していると鷹野が現れた。
「噂をすれば影?」敦士が笑う。
「なになに俺の話してたの?」鷹野はニコニコしている。
「うん、まぁ。って、鷹野ってここら辺に住んでるの?」
「新司」
「え?」
「新司って下の名前で呼んで欲しいな」
「お、おう」驚きもあり敦士と顔を合わせる。
「ここら辺に住んでるかって質問だったね、俺一人暮らししてるんだ〜」
「一人暮らし?」
「親元を離れたくてね」
「へぇ」
親元を離れてまでやりたいことがあるのか?この街で?
「一緒に登校できるし部屋あそこにしてよかったな」
「今度遊びにいっていい?」敦士が不意に言った。
「えっ、引越しの荷物とかめっちゃ散らかってるから無理だよ、無理無理」
「そんな散らかってんの」敦士と二人して笑った。
「逆に敦士の家に行ってみたいな」新司が言った。
「コイツの父さん政府の人で家すっごく大きいよ、お手伝いさんもいるし、とにかくすごい」
「やだなー、そんな大したものじゃないよ」
なにが大したものじゃないだ、あれが普通なわけ無いだろう。敷地の時点で俺の家と比べたら何倍になるのか。
「そんなすごいの!?是非とも行ってみたい!」新司は目を輝かせている。
「今日の放課後行こうよ、敦士いいでしょ?」
「多分大丈夫だよ、放課後案内するね。」
学校につき、敦士とは別れ教室へ向かう。
「敦士の家か〜」新司はもうウズウズしているようだ。
「あれは期待してていいよ」ウズウズしている新司はなんだか面白い。
「おっはよ」
「「あっ」」
そこには昨日sweet houseでみた福坂あかりがいた。
ウェイトレス姿も可愛かったが、制服姿もまた可愛い。
「なによ、二人してジロジロ見て。」
「「なんでもないよ」」
新司とはよくハモるな。
「ホームルームやるよー」
担任の掛け声であかりと別れ席に向かう。
「ねぇ、幸汰?あかりさん制服姿もハンパないな」
「ハンパない?」
「可愛いってことだよ」
どうやら、新司はほんとにあかりが気になっているみたいだ。
振り返ってあかりを見る度こっちを見てフンフンしている。
授業はほとんどが担当教師の自己紹介で終わり、暇で暇でしょうがなかった。
「昼休みは屋上でご飯食べよっか」
「じゃあ、俺売店で買ってくるね」新司は走っていった。
「先食べてるねー」
遠くから「おっけー」と聞こえた。もう新司の姿は見えない。
「今日の弁当も豪華だね」
「そう?」
学生が食べるモノには思えないようなキラキラした弁当だ。キラキラと言ってもこれはエフェクト。だが、エフェクトをつけてもおかしくないものだ。使っている食材もランクの高いものばかり、かといって栄養の偏りはなくバランスが取れているように見える。
「幸汰のも美味しそうだな」
「お世辞はよしてよ」と苦笑い。
俺には母親はいない。だから弁当は自分で作る。
単身赴任している親父の仕送りを元に自分で家事をやっている。
「新司なんで親元を離れたかったのかな」
朝からずっと気になっていた。
「なんでだろうね、うちも両親忙しくてなかなか会えないけど一緒にいたいって思うなぁ。」
なにか特別な事情でもあるのだろうか。
「お待たせー」
「早かったね…って」振り返ると新司とあかりがいた
「どうしたの!?」
「誘っちゃった、多い方が楽しいでしょ」ニコニコしてる。
「ようこそ〜」敦士は大歓迎のようだ。
「誘われちゃった」あかりもニコニコしてる。
美男に美女、余計いづらい場所になったかもしれない。
「みんなで食べるご飯は美味しいね」
「そうだね〜」
正直悪くないかも。
放課後になり、敦士の案内のもと家へ向かう。
昼に敦士の家に行くという話をしていたらあかりも行きたいと言うのでみんなで行くことになった。
「どんな家住んでるのかな〜」
「想像もつかないや」あかりと新司は想像を広げる。
「着いたよ〜」
「「!?」」あかりと新司が固まる。
目の前にあるのは大きな門だった。
門以外は高い塀に覆われ、中の様子は見えない。
「敦士君の家ってヤクザか何か?」あかりが震えだす。
「なわけないよ」敦士が笑う。
初めて見る人は大抵こんな反応をするだろう。
「大きいのはうちの製薬会社の研究室が入ってるからだよ、家自体は小さいよ」
「製薬会社?」
「赤嶺製薬っていうやつ」
「苗字が一緒だったからもしかしてって思ってたけど本当だった…」
「まぁ、入ろっか」
「お茶にしようか」
「そうだね〜」
「その前にお手洗い借りていい?緊張でちょっと」「敦士今日おかしい」ほかの三人が笑う
「出て右にまっすぐ進んだら右手にあるよ」
「いってくる!」新司は走っていった。
「敦士君の家すごいね」
「初めは小さい会社だったんだけど、おじいちゃんとお父さんが研究で大発見してからこんなに大きくなっちゃった」
「大発見?」
「グリフィスが発見した形質転換って知ってる?」
「まだ習ってないからわかんないな」あかりが頭をかく。
「俺も詳しいこと聞いたことないから良くわかんないけど、簡単に言うと遺伝子操作かな」
「おい、何やっている!」廊下から大きな声が聞こえた。
「何かあったのかな」
「もしかして新司…?」
慌てて3人は廊下に出る。
「お前は誰だ何していた!」白衣を着た大男に問い詰められている新司がそこにはいた。
「あ、いや、迷子になって」
「待って大基おじさん、彼は僕の友達なんだ。」
「敦士じゃないか」
「新司なにしてたの?」
「好奇心でちょっと探検しようかなって思って…」
「ほんと勝手だね」あかりが笑う
「この人は大基おじさん、父さんの弟だよ。」
「怒鳴って悪かったな」申し訳なさそうにしている。
「こちらは同級生の新司君とあかりさん、幸汰のことは知ってるよね。」
「もちろん、他の二人もよろしくね」
「兄弟でやってるんだ」
「俺は補佐役みたいなもんさ、研究は兄貴がやって、他のことを俺がやるみたいなね」
「へぇ〜」
「とりあえず、勝手に歩き回ったらダメだよ?機密情報取り扱ってるからさ」
「新司わかった?」
「はい…」
「今日は面白かった〜」
「楽しんでもらえてよかったよ」
「新司はほんと馬鹿だね」
「次は気をつけるよ…もう引っ張り出さないでよ」新司は顔を赤めながら言う。
「それじゃあ、私はここで」
「俺もここら辺で」
「また明日ね」
3人はそれぞれの帰路にわかれた。
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「大収穫だよ今日は」
また薄暗い部屋の中キーボードを叩く音が響く。
少し話が進んで安心しました笑
テスト、受験など行事たくさんなので更新頻度は悪いかもしれませんが続きもよろしくお願いします。
コメント、アドバイスお待ちしております。