春ーMetamorphosis
今年こそは夏祭りを女の子と!と考えている彼女いない系ボーイのポルポンです!
この話から徐々に天文部のキャラが明らかになっていきます!
ではでは!またあとがきで!
コポコポとお湯が沸騰する音と、紅茶の香りが部屋を埋め尽くす。
「じゃあとりあえず、二人とも簡単な自己紹介をしてもらいましょうか。」
半ば強制的に床に正座させられた僕と片音さんは、先程まで無表情で人を踏んでいた先輩に見下ろされていた。
どうする。片音さんには悪いが、適当な理由をつけて逃亡するか…?
って、ちょっと片音さーん!?片音さんへ向けた目を見開く。
この子生きてる?死後硬直かってくらいに固まってるよ?目に光が灯ってないよ!
「ねぇ、この子たち緊張してるみたいだし、僕たちから自己紹介したほうがいいんじゃないかな?」
だらだらと全身から汗を流す僕に紅茶とともに男子高生が助け舟を出してくる。あぁ、助かった。
そうですね。と女生徒が近くにある椅子へと手を伸ばす。
「私は赤城唯乃よ。」
「…」僕らは赤城先輩の次の言葉を待つが、二の句が続かない。
「あの…それだけ…?」
「えぇ、他に何かあるかしら?」
「あ、いいえ、ないです…」
怖いよこの人!目が獲物を捕らえた肉食獣みたいだし!一言一言が胸を氷柱で貫かれたように冷たいよ!
と、続く沈黙を破ったのは、少し前まで踏まれていた哀れな男子高校生だった。
「俺は唯乃ちゃんのこと知りたいよ!具体的には今日の下着の色とか!」
…さっきとは別次元のベクトルで場が冷え切った。
その後は、本当に一瞬だった。
赤城先輩は椅子から立ち上がると、片手で男の首を掴みそのまま扉の外へと消えていく。
「赤城と高盛はいつもあんな感じだからさ…」と紅茶の先輩が笑顔を浮かべる。
ガラッと扉が開けられ、赤城先輩がすっきりとした表情で手をタオルで拭きながら帰ってきた。
違う。きっと先輩はトイレへ行っていただけなんだ。
他の可能性を考えるな!すっきりした顔していたじゃないか!
返り血をタオルで拭いていたわけじゃない!あれは花柄のタオルだと自分に言い聞かせるんだ!
…もし、そうだとしたら、赤城先輩が帰ってくる少し前に聞こえた「ヘルッ…」という断末魔の叫びはなんだったのだろうか。
hellやhelpといった英語が頭を渦巻く中、いつになっても帰ってこない高盛先輩に向け、僕は静かに十字架をきった。
第三話いかがだったでしょうか!
多分現実での僕のキャラは高盛に一番似てるんじゃないかなぁ。と感じています。
最近すごく暑くなってきましたよね!
アイスやジュースがおいしくなってきたものです。
八月にはさらに暑くなりそうですし、みなさん夏バテにはご注意ください!
それでは今回はこのあたりで…
よろしければコメントなどなどお願いします!
では、また次話で!