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同じマンション、同じフロア!?

 教室を出てから、俺は大変だった。

 俺が出てくるのを陽香と玲奈が、廊下に立って待っていたのだ。

 俺の後ろを嬉しそうに歩いて教室を後にする彩加。それを見た二人の表情が変わった。

 むっとした表情で、つかつかと俺の所にやって来る陽香。

 困惑顔で立ちすくむ玲奈。

 そんな二人にお構いなしに、俺の背後でにこにこと笑顔を振りまく彩加。


 「先生は何の話だったの?

 どうして、この子が亮にくっついてるのよ?」


 何でこんな事になっちまったのか?

 俺だって、それは同じ思いだ。

 嘘を言う必要も無いし、俺は担任から言われた話を二人に話した。


 「何で、そんな事引き受けるのよ?」

 「そうよ、亮君。危ないわよ。

 今からでも、断れないの?」


 二人の意見に反論などできない。何しろ、それは俺だって、そう思うくらいなんだから。


 「いや、それはそうなんだけど」


 とは言え、男として、断るのも情けない気がして、俺の返事はごにょごにょとしか言えない。


 「あー。もしかして、亮。

 この子がかわいいから、一緒に送って行く気なんじゃないの?」

 「えーっ。亮君。

 それ本当なの?」


 いや、それは全くないとは言えない。だがなんだ、自分から言った訳ではない。担任に押し付けられたのは事実だ。


 「そんな事はないけど」


 俺は困ってしまった。こんな騒ぎになって、彩加がどうしているのかと、彩加に顔を向けると、彩加も困惑顔をしていて、俺に視線があうと、俺に申し訳なさそうな顔で、話してきた。


 「ごめんね。寺沢君。

 彩加が先生に頼んだばかりに。

 彩加ね。自分で、一人で帰ってみるね」


 彩加がそう言って、自分の両手を握って「うん」とばかりに気合を入れてみせた。

 待て待て、そうはいかんだろう。何かあってみろ。責任は俺になっちまうじゃないか。


 「待て。

 送って行くって」


 いや、特別に送って行くと言うより、一緒に家まで帰るだけなのだが。

 彩加を追うため、俺が歩き始めたので、陽香と玲奈も俺の後を追うように歩き始めた。

 陽香は当然、ふくれっ面で。玲奈は困惑顔で。

 このままでは三つ巴の争いかと思ったが、どうやら、状況は違ったようだ。今まで、もめていた陽香と玲奈が手を結び、彩加に冷たく当たり始めた。

 かわいそうな彩加。俺はそう思わずにいられない。とは言え、陽香と玲奈に厳しく言う事もできない俺は二人をなだめるのが限界だった。

 女子三人に囲まれての下校なんて、羨ましがられそうだが、こんな大変な状況は無い。いつまで、こんな事が続くのかと俺は憂鬱だったが、彩加のストーカー、それは次の日には捕まったとかで、俺ははれて自由の身になった。

 だが、この彩加を家に送って行った時に、俺は恐ろしい事実を知ってしまった。

 これは決して陽香と玲佳には口が裂けても言えない。なんと、彩加の家は俺の部屋と同じフロアで、しかも彩加は一人暮らしだったのだ。

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