ミッション・コンプリート!
これで、俺の機は終わりだと思っているのか、敵機はすでに反転して友軍機を目指している。
俺は高度を下げつつ、錐もみ状態で、弧を描いて飛行する。
俺の尻に食らいついているミサイルがトルネードのような軌跡を描きながら、俺の尻に食らいついている。
俺が弧を描いた分、内側と外側で微妙な差が生じ、ミサイル同志が激突し、爆発していく。
これで全部のミサイルを葬りたかったが、一発残ってしまった。
俺は弧を描いたまま反転し、敵機の針路の先をめがけて、速度を上げる。
俺の頭の中に、勝目の戦闘シーンが浮かんでいく。
「敵機の右側面にミサイルをお願いします」
俺は地上部隊に対空ミサイル発射の依頼した。
それに応えて、地上から対空ミサイルが敵機の右側面目がけて発射された。
そんな時、敵機に追われている友軍機が俺の目の前を通り過ぎた。
その友軍機の機体に機銃による銃痕が、見る見る浮き上がっていく。
機銃の雨。
そんな事お構いなしに、俺は追われている友軍機と敵機の間に割って入る針路を取り続ける。
敵機がこのままの針路を取り続ければ、俺の機に銃撃を食らわせられるが、そのまま俺の尻に食らいついているミサイルと衝突する。
それに敵機は気付き、針路を変えると言うのが、俺の読みである。
しかも、右下部からもミサイル。
敵がとる針路は左旋回。
俺が操縦桿でタイミングを見計らって、機体を旋回させる。
やはり敵機は左に旋回した。
ビンゴ!
俺の機銃が敵機を撃ちぬいていくと、最後の敵機が爆発した。
敵機はいなくなったが、俺の尻にはまだミサイルが食いついている。
俺は緑に覆われた公園目指して下降を続け、地表すれすれで機首を立て直す。
巨大なGで俺の体も機体も悲鳴を上げる。
エンジンの風圧で木々が大きく波打っている。
機体も木々に接触している。
再び俺の背後で爆発が起きた。
ミサイルが地表か公園の木々に激突したのだろう。
俺はレーダー上に敵機の姿も、ミサイルの姿もないのを確認した。
「終わった」
俺は疲れた気分で、機体を立て直し、基地へ機首を向けた。




