表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/51

うかつな俺!

 気を抜いた訳ではなかったが、一瞬の隙をついて、俺は再び背後をとられてしまった。

 俺は操縦桿を引いて、急加速しながら、急上昇を始めた。宙返りである。

 敵機は同じように急上昇を始め、俺の尻を狙おうとしている。

 そこで、俺は思いっきり減速させた。

 急上昇のはずが、減速である。俺の前に敵機が飛び出した。

 機銃を浴びせると、敵機に銃弾が命中していく。

 撃墜した。

 そう思った瞬間、燃料が誘爆したのか、突然大きな火の玉を造って、爆発した。

 その火の玉の先に、友軍機を追っている敵機2機が目に入った。

 すかさずミサイルを発射する。

 距離が近い。

 そう簡単に振り切れるものではない。

 俺はそのまま、辺りに注意を払った。

 このまま俺が機首を下げて、急降下すれば、やはり友軍機を襲っている別の敵機をそのまま射程に収める事ができる。

 思いっきり、俺は急下降した。

 俺の目の前を煙を吐きながら、友軍機が横切った。

 素早く俺が機銃のトリガーを引くと、友軍機を背後から銃撃していた敵機が俺の機銃が飛び交う空間に飛び込んできた。

 敵機の先端から、コックピットを撃ちぬいて行く。

 その時、俺は妙な違和感を覚えた。

 コックピットを撃ちぬき、パイロットの体をずたずたに打ち砕いたにもかかわらず、肉片も血液も飛び散る様が見えない。

 俺が驚いて、目を見開いた瞬間、その敵機が爆発した。

 同じ頃、俺がさっき放ったミサイルが敵機 二機を撃墜していた。

 激戦の中、友軍機も減少して行ったが、敵機も減少して行くと、敵機が撤退を開始した。

 後ろを見せた敵を追うのは容易である。

 思いっきり加速して、敵機の背後を追う。

 目の前の敵には機銃を。

 その先の敵機には、残ったミサイル全てを発射する。

 撃墜。

 撃墜。

 ミマサカとの国境が近くなる。


 「全機撤収。

 引き返せ」


 隊長の声で無線が入ってきた。

 目の前の敵はもう5機ほどである。

 ここで撃墜しなくてどうする。

 俺はあと少し。その気持ちを断ち切れず、加速して、敵機の背後に迫ると、敵機は急下降した。

 低空で逃げる気か?そうはさせない!

 俺も操縦桿を押し倒し、敵機を追いかける。

 射程に捉えた敵機に機銃を背後から浴びせる。

 撃墜!

 俺は水平飛行に移り、ミマサカの国土を低空で逃げて行く、敵機に食らいついていた。

 そんな時だった。

 コックピットに警報音が鳴り響いた。

 地上から、対空ミサイルが発射され、俺を狙って接近してきた。

 うかつだった。

 敵の本土で、低空飛行してしまうとは。

 俺は慌てて錐もみ状態で上昇した。

 俺を狙うミサイルが、俺の機体の左右のエンジンにつられて、らせん状に上昇して俺の尻に食いついてくる。

 振りきれないかもしれない。

 俺がそう思った時だった。

 スピーカーから隊長の声が聞こえてきた。


 「お前はこのまま帰還しろ」


 その次の瞬間、俺の背後で大きな爆発が起きた。

 俺が振り返って背後に視線を送ると、もうスピードで接近してくるYZ-1が見えた。

 その翼に描かれた剣に絡みつくへびのマーク。

 隊長機である。

 機銃で、俺の尻を狙っていたミサイルを撃ち落としてくれたんだろう。


 「とっとと、帰還しろ。

 あとは頼んだぞ」


 隊長の声が聞こえたかと思うと、背後でさっきよりも大きな爆発が起きた。

 俺の機体を揺さぶり、制御を乱すほどの爆風が俺を襲う。

 機体にも数多くの金属片がぶつかっている。

 まさか?

 一瞬、俺の脳裏に嫌な想像が浮かんだ。

 俺は慌てて、パネルに表示されているレーダーの情報に目をやった。

 俺の近くにはミサイルも、隊長機も存在していない。


 「わぁー」


 俺はそう叫んだ。目の前の光景はゆらゆら揺れていて、何が何だか、見えやしない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ