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俺って、マジで才能あるんじゃね?

 俺は操縦桿を引くと、ミマサカを目指した。ミサイル統合管制システムは使えない。しかし、今回はこちらもそれなりの数で挑んでいる。ミマサカの航空戦力など、一ひねりでつぶしてやる。

 レーダーの外周部に敵の機影が映り始めた。

 機体数のカウントが始まった。機体数が増え続け、80機でカウントが止まった。

 大きな軍備を持っていないはずのミマサカ。すでにこれまでの戦いで航空戦力をそれなりに失っているはずなのに、まだ80機出てきた。これが、最後の虎の子と言う訳でもないかも知れない。とすれば、ミマサカはエドに隠しながら、密かに戦力を拡大してきていた事になる。

 一体、この戦争はどうなっているのか?

 そう思いながら、俺は目の前の状況把握に努めていた。


 「全機、ミサイル発射」


 隊長機から命令が入った。

 俺は素早く敵の機影の中から、4機に手動でロックオンし、ミサイルを発射した。

 ミサイル統合管制システムが使えない以上、効率的な攻撃にはならないが、それでも多くの敵機を撃墜できるはずである。

 レーダー画面上を、敵機の機影を目指して、俺たちが発射したミサイルが進んでいく。

 レーダー上の敵の機影の前にも、無数の新たな光点が現れた。

 敵のミサイルである。

 お互いのミサイルがすれ違うと、レーダー上の多くの光点が消滅した。

 それでも、100発ほどのミサイルがこちらに向かってきている。

 今回の友軍機はこの前の戦いとは違い、俺以外は本当の軍人さんである。ミサイルが向かってきても、そうたやすくやられはしない。

 俺だって、そうだ。

 おべっかと知ってはいても、一応撃墜王である。

 俺は操縦桿を握ると、一気に上昇した。

 俺の体がシート押し付けられ、目の前には真っ青な空だけが広がっている。

 友軍機が近くにいたんじゃ、自由に動き回れねぇ。

誰もいない空間。

 それが、俺が求めた戦いの場である。

 その頃、俺たちが放ったミサイルが敵編隊を撃破していて、レーダー上の敵機の数がぐんと下がった。

 それは俺たちも同じである。敵の放ったミサイルが俺たちに迫って来ていた。

 俺にロックオンしていたらしいミサイル二機は上昇して、俺の機を目指している。

 俺は機首を少し斜めに向けながら、エンジンを最大出力にして、加速する。

 エンジンと機体が震えて、悲鳴を上げている。

 俺の体だって、パイロットスーツに締め付けられながら、悲鳴を上げている。

 ミサイル二機が旋回気味に、カーブして俺の尻に食いついてきている。

 俺は機首を太陽に向けた。

 ミサイルは一直線に俺を追ってきているのを確認すると、思いっきり旋回した。

 ミサイルは太陽に気をとられて、俺に気付いていない。

 尻に食らいついていたミサイルを振り切ると、進路を敵機の進路上に定め、まっすぐに突っ込んで行く。

 案の定、俺の接近に気付いた敵機が俺に向かってくる。

 敵機は向かってくる俺を撃墜しようと、ミサイルを発射している。

 真正面から向かってくるミサイルなど、機銃で十分だ。

 俺は機銃を操作して、向かってくるミサイルを撃ち落とすと、ミサイルを発射すると同時に旋回していた敵戦闘機の一機に機首を向けて、機銃を連射した。

 細かな振動が俺の体に伝わってくる。

 敵機の機体に穴が開いてくのが見えた。

 やがて炎と煙を上げ、敵機が落ちて行く。

 俺は次の獲物を探す。

 敵機の編隊はすでに俺のいる空間を通り過ぎ、友軍機の編隊を目指している。

 急旋回と急上昇で、俺は敵機の背後を追う。

 俺の翼にはまだ二発のミサイルが搭載されている。

 敵編隊の中央付近左寄りの二機を狙って、ミサイルを発射した。

 自分たちを目指して飛来するミサイルを避けようと、編隊が左右に割れる。

 予想通りだぜ。

 俺はすでに機首を右に振っていた。

 俺の機銃の軸線上に敵機がお手手つないでやってきやがった。

 トリガーを引く。

 俺が放った銃弾が空気を切り裂きながら、敵機の胴体に穴を貫通させていく。

 俺は機首を振りながら、列をなすかのような敵編隊に機銃の雨を降らせていく。

 そんな頃、左側に分かれた敵編隊は俺が放ったミサイルに追い散らされ、隊形が散り散りなっていく。

 そして、正面からは友軍機の編隊が攻撃に加わってきた。

 隊形を乱した敵。

 すでに立て直した隊形で襲い掛かろうとする友軍機。

 勝敗はもうその時点で、決していた。

 友軍機が放ったミサイルがさらに敵編隊を乱して行き、次々に撃墜される敵機。

 俺も負けてやいない。

 機銃で敵機を次々に撃ち落して行った。


 この戦いが終わると、俺は再び撃墜王と呼ばれるようになったが、もしかすると、俺ってマジで才能があるのかも知れないと思った。

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